1116 樹と嵐

折れた樹洞爺湖勉強会で中島の裏側へ回って驚いた。折れたトドマツがそのまま立ち枯れている。6年前の8月30~31日、台風10号が強風を伴って太平洋から日本海へ抜けた。風は中島の中央にある平地・大平原からこの隘路を湖上へと吹き抜けた。強い風は太い樹を根こそぎ倒すが瞬間的な烈風は否応なく幹の真ん中をへし折ってしまう。強風の凄まじさが人手の入らない自然の中に残こされている。

1115 イタリアトマトのソース

ルガンティーノ充実したトマト、イタリアトマトがまた手に入った。早速トマトソースを作る。オイルにガーリックの香りを移しタマネギみじん切りをソテー。水気の少ない果肉を潰しながら加熱し、天日塩、ハーブミックスのエルブドプロバンスと裏庭の唐辛子を加え煮詰める。まろやかで濃厚、芳醇な赤いソースの出来上がり。ひと味個性を加えると、パスタに、肉料理に、中華、和風に、縦横無尽。

1114 突然ですが

ルガンティーノ隣町、豊浦町産という白ナスとトマトを頂いた。それと我家のクッキングアップル、ブラムリー。白ナスはよく知られていて、炒め物でおいしいが当地ではまれ。稜をもち存在感のあるトマトは濃厚な果肉のイタリア品種。扁平なリンゴ Bramley は熱をかけるとホロリと溶けるイギリス種。食の新情報も世界中でシャッフルされて更新中。時代は食から変わるのかも。

1112 鬼っ子といわれて

アメリカオニアザミ棘だらけで目の仇にされているアメリカオニアザミ。出自はヨーロッパ。人類の活動に従って世界に分布を拡げた。今ある自然は侵略と撹乱の末にできた。このアザミに罪はない。生態系被害防止外来種とは勝手な言いがかりだ。二次草原、都市環境、自然災害の荒廃地に生きるニッチを見つけた。森には生えない。切り倒し綿毛をほぐして火を付けたら「ボン」と爆発した。怒っている。

 

1110 アカンサス

アカンサス随分むかし、ルスツの農家の庭で出会って、惚れ込んで入手した。人ぞ知るギリシャの石柱のレリーフの飾り模様がこれ。柱ともどもデザインとしてシルクロード伝いに受け継がれ、飛鳥や平安朝の寺院の円柱となり、葉の方は唐草模様となった。植えてみると葉も花も実に存在感があり、さもありなんと思う。夏眠をして秋にまた葉を茂らせ、翌春またまた同じ葉を茂らす。力をもらえる。

1109 ヒメヒオウギズイセン

ヒメヒオウギズイセン隣のリンゴ果樹園さんにいただいた裏庭の一株。アヤメ科Crocosmia 属のヒメヒオウギズイセン。クロコスミア、モントブレチアなどの園芸品種名で知られている。この季節、この町の古い農家の庭に盛大に赤い花を付ける。夏に赤い花の少ない北海道では特別な風情だ。開拓の歴史と繋がるのであろう。原産は南アフリカ。世界中で野生化していて、園芸品種もたくさんあるという。

1105 耐えて春

スノウドロップ三月の遅い大雪がやっと溶けた。硬く凍った雪と庭石の暗い隙間で、スノウドロップはこんなに花を付けていた。気が付くとフクジュソウもクロッカスの花も開いている。置かれて状況がどうあれ、草花の体内時計は時を刻み続けいのちをつなげる。動物は周囲の環境に積極的に対応するが、植物はおかれた場所でひたすら耐え自らを守り続ける。必ず来る春を待ち、花を開いて世代を紡ぐ。

1102 耐寒の色

耐寒の色昼間ふと寒気が緩んで、我が家の外壁に見つけた蔓の先の小さな実。朽ち色のなかにこの色を発見。食いしん坊の小鳥たちの目を逃れてやっと残っていた豪奢な色。 バラの実ヒソップの豊穣の赤。ツルウメモドキの賑やかな朱、冬の洞爺湖の湖面のようなツタの青。外に出なければ出会えない、とても身近な明るい色だ。光の春がやってきているのだ。 いーもの見いつけた~。

1099 晩秋の赤いバラ

アルティシモ時は進みすべてが秋色に満ち、勢いに任せていた野生もやっと落ち着いて、山の佇まいも渋みを増した。昨年植えたバラ・アルティシモ。夏の盛りにシュートを延ばし、その先に付いた花弁が秋の光を受けている。香りはないが平咲きの輝く紅色は私の心を充分に和ませてくれた。コロナに蹂躙された一年だったが、この次の1年、向こうの有珠山も含め、安泰な時が巡ってきてほしい。

1097 ブラムリー Bramley

 ブラムリー Bramley植えて6年。矮性台木なので徒長枝が出ず育てやすい。ネットで検索するブラムリーはみな青リンゴ系だが、我が家のはこんなに色づく。リンゴ王国であるイギリスの林檎図譜 “The English Apple”でもBright green becoming pale greenish-yellow とある。よく陽を浴びたからだろう。良く煮溶け、砂糖を混ぜレンジ10分でジャムになる。ステーキに添えて焼くと美味しいソースの出来上がり。