1003 4匹の子ギツネ

子ギツネたち2匹のキタキツネの子が、と思っていたら、なんと4匹だった。それもハシボソガラスガラスの巣のすぐそば。巡ってきた季節は新しい出会いをこんな形で提示してくれた。減少する一方の野生だが、私の杞憂をどこ吹く風と、その強さ、したたかさを見せつける。子ギツネたちには過酷な世界が待っている。これからが野生の本領発揮だ。カラスは庭から、キツネは二階から撮影した。

1002 新しい家族

ハシボソガラスここをテリトリーとするハシボソガラスに子供ができた。それも4羽。9年も前から続いたつがいの雄が去年いなくなって(死んだと思う)、新しいオスとの間にできた子だ。嬉しいね。家の前の大きなクリの木に4羽の姿。子ガラスは騒ぎ立て、しゃがれ声で餌をねだる。二羽の親はせっせと餌を運ぶ。このひと月はさぞかし賑やかなことだろう。ご近所さんも大目に見てやってほしい。

999 旨いぞ、ボタンエビ

ボタンエビしけの影響で延びていたエビかご漁が解禁、室蘭産がスーパーで入手できた。ボタンエビ、和名はトヤマエビ。北海道では噴火湾産がメインだ。身が締まって生きがいい。食わない手はない。刺身は甘く鉄砲串を打った塩焼きは香ばしく、丸ごと食べる。刺身はワサビよりは裏庭のホースラディッシュか、焼き物にはタイムか、などと考えた。1匹100円見当。旬を食べると長生きする。

994 微睡むカシラダカ

カシラダカ地吹雪の正午前、気温は-11℃。窓越しの壁際にちいさな鳥がふっとやってきて、ツタの枝に止まり目を閉じた。風をよけて身を隠し、一瞬のまどろみだった。カメラに収めたあと、もう仲間の声に同化して飛び去った。小鳥の心拍数は毎分数百回以上だという。一日食べないと餓死する。瞬時に眠りに落ち、次の瞬間目覚めて群れとともに風の中に消える。時の中を駆け抜けるいのちだ。

991 冬を釣る

洞爺湖で釣る冷えた朝、洞爺湖北岸。シカの足跡をたどって湖岸に下りた。澄んだ大気の中、中島が近く見える。風はない。水際の浅い雪をたどると遠くに釣り人の影が見えた。フライを振っている。遠見だけれど、釣れたのかそうでないのか。そんなことではない。ここでは水の冷たさも時間もすべて止まっていて、この瞬間だけが真実だ。この風景だけを釣果として満ち足りて帰路につけるだろう。

988 旅の終章

旅の終焉豊浦町の貫気別(ぬきべつ)川河口でハシボソガラス、オオセグロカモメが鮭の朽ちた骸を啄んでいる。オジロワシも見える。流れには襤褸布のような魚体が引っかかって揺らめいている。この川で孵化し、北太平洋を回遊してきた強者達の終章がこの一幕だ。故郷へ帰って産卵し、鳥たちに食われ、土へと還る。この川の上流にはインディアン水車もある。いのちの輪廻が見える。

987 洞爺湖中島・西山

洞爺湖中島・西山洞爺湖中島で最も高く、見晴らしの良い西山山頂。頂上は標高455m。細長い稜上から見わたす中島中心の360度の眺望は痛快だ。火山マイスターなどのガイドで登ることのできるが、この数年来の重なる台風や暴風で、踏み分け道が荒れていると聞いた。その道は従来、シカの「けものみち」を利用していたので、シカの個体数が減った現在、辿るのが面倒になってきたのかもしれない。

985 シカ散策路・火山遺構

火山遺構洞爺湖温泉街にある洞爺湖ビジターセンター・科学館の山側には「有くん火口」、「珠ちゃん火口」をめぐる2.2㎞のフットパス、金比羅山コースが整備されている。泥流の被害に遭った町営浴場と5階建てのアパートが保存展示されているが、コースは4月19日まで冬季閉鎖期間中だ。説明板のある堰堤の上から見る遊歩道の上はエゾシカの足跡でいっぱい。この数日のことだろう。

981 光るいのち

ニシンのうろこはるかむこうの銀河の光芒だろうか。これはニシンの鱗。すべての色を吸収しかつ反射し、私の指先で陽を照り返えす。近くの港に揚がり、俎板に残った直径10mm、数十枚の生臭い鱗だ。燦然と輝くミクロの虹の色。地の闇に輝くオパールにも似るがこれは命。人知れず、自らに発するいのちの輝き。無辺の海の暗闇にさんざめく燐光。美の神は細部に宿りたまひぬ。