1063 ハマダンゴムシ

ハマダンゴムシアルトリ岬の砂浜でハマダンゴムシを見つけた。ワラジムシ目で、フナムシも一緒だ。日本中の砂浜に住み、オカダンゴムシの方は外来種だという。体節の側面に鎧の草摺のような底節板があることでオカのものと異なる。手の上で丸い石ころとなり、見るからに愛らしい。浜辺に打ちあげられた腐植や動物遺体を食べる群集の一員で、これらが活躍しなければ海辺は悪臭に満ちるだろう。

1062 Blackcurrant Jam

Blackcurrant ジャム熟したブラックカラント4.3㎏をジャム用の銅鍋で煮込む。鍋の中の実をマッシャーで潰し、汁気が出たところでグラニュー糖を外割り50%(材料1㎏に対し500g)加え加熱する。沸騰近くなったらハンドブレンダーで固形分を細かに砕き滑らかにする。見事な赤紫色となり、あとは必要に応じて木べらで攪拌しながら煮込むだけ。アイスクリームや粘性のあるヨーグルトと相性が良い。

1061 ブラックカラント

ブラックカラントベリー類の収穫の季節だ。ハスカップ、ラズベリーに続いてブラックカラントが熟した。Blackcurrant=クロスグリ。フランスではCassis で、カシスの名の方が知られ、通りが良い。生食は甘酸っぱく独特な野生臭がある。5株から4.3㎏の収穫があった。成分を声高に吹聴した売らんかなの商品があるけれど、それよりもこのジャムやシロップの美味しさと赤紫の美しさは格別だ。

1060 ジューンベリー

ジュンベリーJuneberry は6月の樹の実。北海道では7月だ。少し前、やや長めの白い花弁が6月の風に揺れ爽やかだった。樹形が良く、新緑、黄葉、我家のシンボルツリーとなってくれた。今年は紫色に熟れたのを摘みとり、ジャムにする。種子はさほど気にならない。20%の砂糖を加え、少し潰して10分ほど煮る。簡単なのが強みだ。たっぷりとした食味と濃い紅色はアイスクリームと相性が良い。

1059 北のサンショウ

北のサンショウ庭のサンショウの枝を整理するからとの連絡を受け、笊を持っていそいそと出かけた。一抱えほどの実の付いた葉ごといただき、薫り高い実を収穫した。冷凍保存し、ゆっくり関西風コンブの佃煮、ちりめん山椒を作る。もちろん麻辣の麻婆豆腐に担担麺、棒棒鶏。さらに乾燒蝦仁は大好物。たっぷりと楽しめるぞ。北限のミカン科サンショウ属。洞爺湖中島には見事に繁茂する地域がある。

1058 ハマナス

ハマナス海からの明るい風が吹いた瞬間、ハマナスの酸味のある強い香りが脳ミソを駆け巡った。私が育ったのもこのような海岸、その時の砂浜の流木の風景と甘い爽やかな匂いを思い出す。匂いとともに記憶が鮮烈に蘇るのは、生命にかかわる素直で直截的な感覚だからだろう。匂いは思い出も連れてくる。 室蘭イタンキの鳴り砂の浜には、太古からの風景と海浜植物が今もなお残されている。

1057 したたかなスギナ

したたかなスギナジャリ道際にシバザクラと銀葉のナデシコを植えた。花がナデシコに代わるころスギナが盛大に伸びてくる。胞子茎のツクシは気にならないがスギナの繁茂には手を焼く。光合成で栄養するから、理論的には徹底的に葉を摘むと根は枯れるはずだが、数億年前から命をつなぐトクサ科のこの植物の強かさには追いつけない。成り行きに従って、スギナごと花を楽しむのも悪くはない。

1056 翔べなかった日

コクワガタ薪にしようと積み上げていたサクランボの朽木を焚火台で燃やした。翌日、燃え残りの中からすっかり炭化したコクワガタを見つけた。脇には黒焦げの幼虫も。すまん。かわいそうなことをした。おまえたちのこと気にも留めていなかった。凍てついた冬を二回耐え、やっと成虫となったはずだ。虫に落ち度はない。不条理な話だ。飛び立とうとしていた空は高く、吹く風は緑なのに。

1055 村界滝谷の外輪溶岩

村界滝谷の外輪溶岩2万年前、洞爺カルデラの南縁に誕生したのが有珠山。噴火初期の流れやすい外輪山溶岩は、洞爺火砕流堆積物の上を覆った。地質図にはこの谷の奥の外輪山溶岩と、その下の火砕流層が記載されている。地表を流れる雨水はこの沢に流れ込み、急流や滝を作り、長い年月を経て徐々に後退してこの谷を作ったのであろう。仲間の提案で古くからの地名を取り「仮称・村界滝谷」とした。

1054 新しい沼

2新しい沼000年の有珠山噴火では、隆起によって板谷川上流が堰き止められ、旧国道230号線上に西新山沼が誕生した。この隆起では別の支流にも新しい沼が誕生している。下草が藪を作らぬうちにと、地形や植生を確認するため春の穏やかな日を選んで出かけた。二つの小さな流れ込から始まり、断層群により堰き止められた沼尻まで探索した。左上の尾根筋が地熱を持つ地帯、その奥が西山。