長流川にかかる壮瞥橋の下にキタキツネの足跡(Footprints)を見つけた。少し古いのと真新しいの。どうやら岸辺の藪の中にねぐらがありそうな感じがする。空きっ腹で幾度も足を運んだのだろう。はたして餌にありつけたのだろうか。凍り付いた浅瀬で何かを探した気配がある。冷たい水で晒されたシャケの死骸でも見つけたのか。真剣に生きる野生のひたむきさが読み取れる。
602 棒鱈の世界
601 雪の王
600 久保内からの有珠山
朝の陽を受ける有珠山の東面。北斜面の向こうには有珠新山が続く。大有珠のピナクル(岩塔)下のロープウェイ駅から東へ延びる長い稜線の上には火口展望台があり潜在ドームだ。この稜線の下にも溶岩ドームがあるという。地質図を見ると現在の有珠山は「流れにくい」溶岩、つまりケイ酸(SiO2)分の多い粘性の高いマグマで構成されたドームの集合体だということがわかる。
有珠山に異変があったら、私の住む壮瞥町滝之町の住民は、ここ久保内の施設に避難することになっている。それでも火山に近いというか、距離があるかから安全なのか。大きな噴火ならここでも危ないし、そのあと住むことも不可能となる。この数百年の噴火の規模なら安心だ。しかし、火山灰は風向き次第でやってくる。あらためて有珠山を眺めなおしてしまう。