1073 マルメロのゼリー

マルメロのゼリー

皮と芯を除いたマルメロ1㎏にグラニュー糖600gを振りかけ、浸出したシロップで煮る。硬いパルプをブレンダーで滑らかに砕き、さらに煮詰め、レモン汁100gを加え熱いうちにシリコン型に詰める。甘く酸っぱく、何よりも舌の奥に残る濃い香りと味がマルメロの本領。粗い繊維感も他の果実にはない魅力の一つ。身近で魅力的な果実だ。お試しを。

1072 秋の終わり

新山沼カラマツがいい色になって、ポプラとコナラ、カシワがそれに続いて、いよいよ秋の終わり、けじめの時だ。昭和新山の噴火で堰き止められてできた新山沼に白き雪をかぶった有珠山の山頂が映っている。柔らかなヨシの穂も白く光っている。あと11月終わりにはカラマツは葉をすっかり落とし、佇まいは厳しい冬の様相となる。まもなく遠い北の国から水鳥たちがやってくる。

1071 頑張れマーガレット

頑張れマーガレットマーガレットは白い花だと信じていたが、最近はこの赤い花が売られている。柔らかく素朴な色のこの新品種も在来の血を引いてめっぽう寒さに強い。霜が降りても庭を飾ってくれている。だが-20℃にもなるここでは冬を越せない。結局、機会があって我が家のリンゴと一緒に南国千葉へ送られて行った。彼の地では木化して大株となるはずだ。蒸し暑さにやられなければよいのだが。

1070 マルメロ完熟

マルメロ

マルメロが盛大に実った。黄金色輝く面構えとその芳香は、熱帯の果実のとろける旨さを想像させる。だがその味は酸っぱくそのうえ渋く食感は熟したおが屑という感じ。噛みついて前歯を痛めるカリン(花梨)の実ほど暴力的ではないが、どうしてくれようこのマルメロ。しかし、手を加えるととことん濃厚で個性的な味のスイーツに大化けしてくれる。

 

1069 雪の朝のリンゴ・フジ

リンゴ・フジ11月10日、初雪の白さも眩しいが赤く輝くフジリンゴも目に沁みる。私の庭ではいつもこの季節まで収穫しない。樹に着いたままで-2度くらいまでは凍らないようだ。裏庭の30年を超した樹も沢山の実を付けるが、10年の若木も30個ほどの実を付けた。色、形は店先のものより見劣りするが、蜜の入った我が家のリンゴ、味では負けない。

1068 クリのペースト

マロンペースト家のそばにクリの大樹があり、数十個収穫しマロンペーストを作った。40分ボイル、そのまま冷えるまで放置し、半割りにしスプーンでクリッとこそげ取る。ミルクを加えて練り多めのバターを加えて完了。渋皮は殻に残る簡単作業。ラム酒で香りを付けてアイスクリームのお供に。ケーキではモンブラン風にも。バターが入って日持ちもするし、応用はお好み次第。秋の旨みを召し上がれ。

1067 胆振東部地震の傷跡

胆振東部地震の傷跡9月半ば、羽田から千歳エアポート着陸前、2018年9月6日におきた胆振東部地震の傷跡が目に飛び込んできた。最大震度7の揺れで、4万年前の支笏カルデラや樽前、恵庭火山からのテフラが、地表の植生を載せたままで滑り落ちたという。宅地や農地付近は何とか復旧しつつあるというが、開拓時代から営々と築き上げられてきたもとの生活や自然の姿には程遠い。厚真町、宇隆・東和付近。

1066 命の軌跡

コウラナメクジ2000年噴火の噴火遺構を探索する人のみが歩く西山散策路。数日前の雨に洗われたアスファルトにいくつもの白い筋を見つけた。数十㎝の徐々に太くなる何かが這った痕跡。その端にやっと見つけたのは黒くカチカチの干乾びたナメクジの死骸だった。乾いたアスファルトに上でその命は終わってしまった。色から外来種コウラナメクジだろう。多様な自然の中の、生きた証しとその死。

1065 2020年の梅仕事

梅仕事7月28日に収穫した豊後ウメ、9㎏を外割15%、1.3㎏の天日塩で40日間塩漬けをした。9月6日から笊に並べて三日三晩の天日干し。梅酢も甕の中で旨みを増す。今年の甕も洗って並び、役者が揃った。 盛んだったノウゼンカズラの花はもう無いが、同じ色のナスタチウムはまだ残る。夏も終わり、秋の気配の昭和新山、有珠山が肩を並べる。昨年の梅干しは一年経っておいしくなった。

1064 ミミズの溜め糞

ミミズの溜め糞裏庭のゴルフボール大の土の塊が気になっていた。やっとわかった作り手はミミズ。で、これは糞。ここの土は有珠山の火山灰が主だが、これを有機物ごとせっせと食べ、団粒構造にしては排出してくれる。昔読んだダーウインの中に、ミミズの糞は数百年で遺跡の石を地中に取り込んでしまうと書いてあった。土壌を攪拌し改良してくれる力強いミミズがたくさんいてくれるということだ。