104 ジューンベリー

ジューンベリー  生垣の上に広がる灌木としてジューンベリーを見つけ、この春植えた。5、6本の株立ちで細い花弁の白い花が咲き、葉も爽やかで気に入っている。花が咲いた分実が付き、青く硬かった実が赤くなり黒紫色に色付いて、口にするともちっとした濃厚な旨味が口の奥歯あたりに広がる。英名はJuneberryだが当地ではJulyberry。-30℃まではOKとテキストには書いてある。有りがたい植物だ。画像の向こうは昭和新山と有珠山。

103 サルナシ

サルナシ 半日陰の中にひっそりと咲くサルナシの花。俵型の実を切ると果汁あふれる云わずと知れた無毛、フィギュア版のキウィフルーツ。毛のある中国産のシナサルナシ(Actinidia chinensis)がニュージーランドで品種改良され彼の国の国鳥の名をもらい世界へ羽ばたいた、いや転がり広がったのがキウィフルーツ。昔から山では人気の奨果で子どもらは舌が荒れるくらい食べたものだ。

101 桜桃鴉

桜桃鴉 今年のサクランボウは少し実が付いた。前の4年間はだめだった。果樹の町壮瞥町全体が同じ傾向にあるらしい。寒く長い春だったので不安だったが、少しの収穫は望めるようだ。と思っていたら近くに住む鴉がやってきた。スズメもたくさんやってきて連中は食べ放題。美味しいとこどりの食傷の果て、「落果狼藉」散らかし放題の始末。自然は思うように行かないところが面白い。

99 うまみを濃縮

ホタテのスモーキング ここのジオパーク、陸水もあれば海もある。豊かな海の幸で知られる噴火湾は内浦湾の呼名もあって、四季折々、みごとな食材が膳を賑わしてくれる。前浜で採れるホタテは滋味豊かで実に甘い。それをサクラで燻してみた。天日塩のみ、他に一切味付けはなし。旨くないわけがない。濃縮された風味は口いっぱいに広がり、燻香は鼻に抜ける。5月あたりに出回る稚貝は、肝臓ごと強めに燻す。寒中は生殖巣が見事に大きく、ほっくりとしてこれがまた旨い。

97 草を引く―ヤブマメ

ヤブマメ 庭の日向や陰りからいろいろな植物が顔を出す。藪にするのもいやだから、膝を折り、頭を突っ込んで、素手で草を引く。袖は露に濡れ、指先は土まみれ。昨年は手を抜いたせいでヤブマメが大発生した。この種はハギに似た解放花のほかに、地下の閉鎖花に小指の先ほどの豆を付ける。縄文びとは身近な食として食べたようだ。アイヌ語では「アハ」といい、秋や春先に収穫、保存もできたという。「かてめし」にでもしようか。取り去るか残すか思案中。

92 思い出のアンニンゴ

シウリザクラ シウリザクラが咲いた。桜とはずいぶん趣きが違っていて、調べて見るとより北方系のグループらしい。新緑の木陰に浮かぶ純白の総状花序はひときわ印象的だ。近似種のウワミズザクラの若い花序を塩で付けた「アンニンゴの塩漬け」を人からいただいた。30年も前の話だ。杏仁霜の香り、サクラ餅の葉を幾倍にもした濃厚で芳醇な香りが鼻に抜けた。今でも鮮明に思い出す。

80 モリーユ!

トガリアミガサタケ 春一番に収穫するキノコ、トガリアミガサタケ。キノコと言っても、シイタケなどの担子菌類とは大きく異なる子囊菌、つまりトリュフや冬虫夏草のグループ。雨上がりの庭で8個、去年は30個位。二つに切ってよく乾燥して大切に保存。欧州ではモリーユという名前でよく知られている。毒成分を持つので調理法に従って食する。バターに合い、生クリーム仕立てのソースにして最高!

76 ホースラディッシュ

ホースラディッシュ 北海道人ならお馴染のホースラディッシュ、和名セイヨウワサビ。雪が溶けて落ち葉の中から顔を出したのを掘り上げるのが旬。下ろして醤油、味噌、マヨネーズ何とでも相性が良い。サラダ、ローストビーフのみならず、勿論、刺身にも。昔からの粉わさびは100%この粉末だ。根出葉は不食。根の断片からでも繁殖するすぐれもの。粗放さ姿と、がしっとくる辛さは北辺の野伏せりだ。

73 世にはばかる

アメリカオニザミ アメリカオニアザミ、鬼がついている。昭和新山の日当たりのよい斜面のロゼット葉。地上部分は全草硬く長いとげだらけでエゾシカも食べない。いったん野生に広がって繁殖してしまった生物は退治するのは不可能だ。退治に金を使わず諦めるのが精神的にも良い。何とか食べてしまうなり生活に活用するのが最も健全だ。不味くはなさそうだが棘が問題だ。この憎まれっ子どうしよう。

66 飯鮓

飯鮓 飯鮓が出来上がりました。色鮮やかに熟成しています。表面にはヤマメ、紅い身はヤマメの親のサクラマスと紅鮭。ブログ「27」「62」に経過が載っています。飯と魚と野菜と麹と塩、これらが混然一体となって乳酸発酵して食の膳に現れる。これぞ米食う文化の神髄というもの。まず漬かった魚が旨い。どこか上出来のブリーチーズの味に似ている。そして野菜、これがまた旨いのだ。