17 闇の底から 投稿日時: 2012年1月3日 投稿者: nizaemon 新しい年が明けました。闇の中から有珠山が浮き上がってきました。自然は季節の中で刻々と姿を変えているけれど、私たちはただ手をこまねいてみているだけです。許されるなら、今年もその懐に入らせていただいて、ほんの少しだけ恩恵にあずかります。この山は今年、どのような姿を私たちに見せてくれるのでしょうか。雪を冠り、闇の中から何を伝えようとしているのでしょうか。
15 観天望気 投稿日時: 2011年12月7日 投稿者: nizaemon 椅子に座って西を向くとそのまま昭和新山が見えます。ここからの新山ドームは椀を伏せたように丸くみえます。今日は北西からの強い風が吹いていて、ドーム中央に見える亀岩や北面の噴気も鉢巻きをしたように真横に流れています。真北からの風では、グレン谷の噴気は頂上には巻き上がりません。私にとって昭和新山ドームの噴気は、毎朝必ず見る、風見鶏となっています。
14 冬の始まり 投稿日時: 2011年12月2日 投稿者: nizaemon 北舟岡の海を望む畑地で冬の始まりの風景に出合いました。畑は凍てつき、老樹は葉を落とし、海はにび色に光っていました。遅かった今年の冬も冷たい十二月の風に乗って確実にやってきています。こうやって、凍てつく季節を迎え、ひとつ歳をとり、新しい緑なす春がやってきて、生きものたちは一巡します。この大地はいく万回これを繰り返したのでしょうか。いつもいつも吹き続けている時の風に乗って、、。
9 感謝をこめて 投稿日時: 2011年11月14日 投稿者: nizaemon 返信 晩秋の昭和新山です。今年もこの山でよい思い出を残すことが出来ました。小さいけれど奥行きのある山と感じた一年でした。 春には足もとのフキノトウやウドを避けながら、頭上にハヤブサの威嚇を聞きました。夏の日は修学旅行の生徒らの勢いに負けずに何とか先頭をつとめ、この山について多くの真実を語ることが出来ました。9月の秋ははアキグミの実の茜色から始まりました。 今、北西の風が吹きつける時期になり、昭和新山はいままさに眠りにつこうとしています。
8 豊饒の時 投稿日時: 2011年11月10日 投稿者: nizaemon 返信 新山沼の紹介です。昭和新山の誕生時、激しい噴火と隆起のなかで、壮瞥川は行く手を絶たれ沼地となりました。町民の手で新しい水路が作られ、この新山沼が残されました。写真奥は隆起した昭和新山の屋根山、右奥、遠くに見えるのが、有珠山山頂(733m)。白く光るドロノキ、水面のアシ、ガマ、水中の多様な生き物たち。冬には多くのガン、カモ類がやってきます。満ち足りた時間が流れます。
7 あと50年もすると 投稿日時: 2011年11月9日 投稿者: nizaemon 返信 新山沼周辺のカラマツがきれいに色付きました。その手前、早くに葉を落とし白い木肌が美しいドロノキの林がひときわ白く光っています。昭和新山が誕生して68年、麓にはみごとに樹高、樹齢がそろった林が形成されました。林の中ではミズナラ、クリ、ニセアカシア、ミズキなどの次の世代が成長しています。ドロノキの寿命は120年くらいで一代限り。毎年の四季の繰り返しの中で風景は変わってゆきます。
1 温泉の化石 投稿日時: 2011年10月26日 投稿者: nizaemon 返信 豊浦の三番磯で赤く変色した岩石で構成された崖を見た。岩肌はベージュから亜麻色、オーカーからベンガラ色、ところによっては臙脂色までも含めて見事に仕上がっていて、上出来な色見本帳をめくっているようだ。 ここはかつて、地下からの熱水によって変性された岩石の色が露出しているとのことで、いわば、「温泉の化石」とも言えるのだそうだ。 切り立った露岩の頂上にミズナラの一株が秋の日を浴びて、これもまた赤銅色に輝いていました。