384  うたた寝カラス

ハシボソガラスわが家の近くにテリトリーを持つハシボソガラス。庭先、5m程の所で居眠りをしている。10分ほどこの状態。暑くって口をあけ、羽を伏せ、眼は半眼、意識も覚束ないようで、瞬膜(白目)を閉じたり開いたり。毎年何度か目にするが、このカラス確か7歳くらいの雄。彼らの寿命からして働き盛りの年代だ。夏の日の水浴び、砂浴びの延長にあるリラックス状態なのだろうか。

382  マーダーは喪服で

腐肉に集まるエゾマイマイの殻を拾っているうちに現場に出くわした。肉の入ったマイマイの殻に長い首を突っ込んでいるのはその名もまさしくエゾマイマイカブリ。べつにエゾマイマイだけの天敵ということではないのだが、マイマイカブリというカタツムリ類を好む肉食昆虫の北海道型でこの名が付いた。蒼い光沢のオサムシに近い洒落者。殻の中から出て来たのは他にクロヒラタシデムシ。そして死の香りに目のないニクバエ。役者は揃った。

381  エゾマイマイの身に何が起こったか

エゾマイマイブログ380の、トクサ群落を登る細道100m程の間でエゾマイマイの殻、15個ほどを拾った。それもほぼ成体の大きさ。次々と見つかり、特異な感じがあったので拾い集めてみた。軟体はすでになく、肉の干からびた臭いがする。古い殻ではない。この辺りではサッポロマイマイも普通種だ。肉食の昆虫のことがよぎったがそれにしても数が多すぎる。猟奇的なにおいがする。殺戮者は誰だ。382へ続く。

380  トクサ(砥草)の穂

トクサ昭和新山鉄道遺構公園のトクサの群落で胞子穂のあるトクサを見つけた。シダの仲間といわれると違和感があるがツクシに近いというなら納得できる。ツクシと同じく球果状の「胞子穂」を先端に付け、その茎は濃緑色で光合成をする。表皮はケイ酸を含んで硬く、紙やすりのように木工の過程で研磨剤として使われた。子供の頃、この茎を束ね丸めて束子代わりにしていた。爪を磨くマニキュア材だったことも覚えている。

378  北の庭

北国の庭6月の末、家の庭にジギタリスが咲き始めた。その隣にはイトラン(ユッカ)が花穂を伸ばし始め、w・モリスのデザインで有名なアカンサスも葉を展開させている。向うにはアルケミラモーリスの黄色い花。奥の巨大な葉の青系ホスタ、その名もビッグダデイ。北国の昔の庭はダリア、グラジオラス、スズランなどと相場が決まっていたが、今は多様な花を楽しめる。

377  言葉も少なく

ハシボソガラスわが家の周辺をテリトリーにしているハシボソガラス。確か7歳か。つがいになって1年目は2羽子を育てた。3年目は3羽4年目は4羽だった。昨年は途中で巣を取り払われて子育ては失敗。今年も抱卵していたようだが子ガラスはついに見えなかった。数日前、向かいの屋根にいるつがいを見つけた。寄り添うように、小雨に濡れる二羽。何を話しているのやら。

376  生誕70周年

昭和新山ドーム壮瞥の街並みからの昭和新山。三松正夫記念館から見えるそびえ立つような山容が表なら、これは裏からの姿。70年前の6月23日、この町のはずれのフカバ集落から噴煙が噴き上げこの山の誕生となった。山裾は緑に覆われている。70年の森だ。ドームはまだ地熱が補給されていて水蒸気が上がっている。真ん中あたり最も強く蒸気が見えるのが「亀岩」。頂上への中継点である。

375  有珠山ドームの名残り

壊れた土瓶1977年の噴火前の有珠山は丸い土瓶土瓶の口という、特徴ある二つの頂上ピークが伊達や室蘭の市民から親しまれてきた。77噴火でその形は一変し、土瓶の形の円いドームは揺れに揺れ、崩れに崩れて平らなこの形になった。右奥はその時北東へ移動した有珠山山頂。有珠山は小さな火山だが思いもよらない地形の変化を伴う面白い火山。次の噴火ではどう変わるのか。災害が伴わなければよいのだが。

374  海霧(ジリ)の本体

ジリ伊達の海から噴火湾の向こうに渡島駒ケ岳が見える。右の尖ったピークが剣ヶ峰(1137m)。手前に海面から200m程の厚さの層状の雲。これが海霧(この辺りでは昔からジリと呼ぶ)の本体だ。沖合は強い東風で白波が見える。太平洋(画面左方向)からの「ヤマセ」に近い冷たい風が吹いている。室蘭あたりは霧の中か。遠く霞むタグボートはマストが赤いから「とうあ」か「摩周丸」だろう。北の海の典型的な様相だ。

373  洞爺湖ミント

ミントこのミントに出会ったのは10年ほど前。湖岸に露出した岩の縁に毎年10株ほど見つける。時には水没し、冬の根は凍結する。全縁の丸葉のミントで、調べたが種類は不明だ。鮮烈な味のミントでこの季節、葉一枚の香りを楽しみにやって来る。秋には種子を頂こうと思うのだが夏の暑さにやられた脳はチャンスを逃がす。暑気払いに湖岸でモヒートを楽しむには量が少ない。私も含めた微妙なバランスが成立している。