1096 ナツズイセン

ナツズイセン春、スイセンが咲いた小さな斜面に花芽が出て、リコリスかなと思っていたらすっきりと伸びてナツズイセン。入手の由来も忘れてしまった。スイセンに似た葉が出た時にはわからなかったが。キツネノカミソリやヒガンバナと同じ Lycoris 属で、「葉見ず花見ず」の異名があるグループだ。似た球根として混ぜられて植えられてもこの通り、季節が来ると「ここにいるよ」と顔を出す。

1094 Us-b上のハーブたち

ハーブ畑有珠山1663年噴火の内、特に活動が激しかったプリニアン噴火の噴出物を有珠bテフラ(Us-b)といい、我家の裏庭では数メートルの堆積がある。一連のテフラは当初あった原生の森を埋め、大木は朽ちて壮瞥穴と呼ばれる地中の深い縦穴となる。この庭にも2014年、壮瞥穴が開き驚かされた。今はリンゴ、サクランボ、ヘーゼルナッツなどが植えられ、ど真ん中がこのハーブ畑だ。

1092 ヒメマス・塩乾し

ヒメマス・潮乾し洞爺湖畔に住む釣名人から塩をしたヒメマス(=チップ)を「これは美味しいよ」と頂いた。身が締まった分、味は豊穣さを増し、マス特有の香りも濃縮されていて、食べきる前に慌てて写真に撮った。 知里真志保・分類アイヌ語辞典動物編(1962)によると、kapatchep (ka-pat-chep カパッチェプ) [ kapar (うすい) chep (魚) ] 注、ヤマベ(ヤマメ)に比べれば扁平だと。とある。

1091 コウリンタンポポ

コウリンタンポポ裏庭の果樹の下草に盛大に花を開いたコウリンタンポポ ヨーロッパ原産で、北海道でも急激に広げている外来の野草だ。在来の生態系等へ影響を与えるとして防除対策の必要性がある外来種に指定されているが、どうなんだろう。生態系に広がった野生生物の駆逐はまず困難である。億年単位で、そのようにして生き物たちは勢力を広げながら現在の自然の姿を作ってきたのだ。

1088 トガリアミガサタケ

トガリアミガサタケこの季節、ゴールデンウイーク前後には決まって顔を出すこのキノコ。我が家の古いサクランボの根に菌糸がかかわっているらしく、毎年数十個の収穫がある。今年はこれだけ。いくら探しても見つからない。寂しい限りだ。二つ割にして陽に晒して乾す。フランスやイタリアキノコ料理の定番のモリーユの仲間で香りもよい、はずなのだが、今年のは香りも薄い。味が気になる。

1087 妖精エゾエンゴサク

妖精エゾエンゴサク林床の植物たち葉が盛大に葉を成長させる前に、フクジュソウ、カタクリなどの花が咲く。春の妖精、スプリングエフェメラルと呼ばれる花たちだ。その中でもひときわ目につくのがエゾエンゴサクの小さな青い花。まだ明けやらぬ空の色。水色の薄衣をまとった天女。氷上で舞うスケートの華麗な踊り手か。落ち葉と一緒に踏みつけでもしたらどうしよう。樹々の葉が茂るまでの宝物。

1086 奥新山沼

奥新山沼この冬は雪が多く、今年の奥新山沼はたっぷりの水量だった。今回はこの沼ができるきっかけとなった旧国道泉公園線近くの沢筋や畑地の断層や亀裂を確認することだった。ボックスカルバートのまだ埋設されたままの部分と持ちあげられ露出したものとの対比から変動の激しさが伝わってきた。落ち込んだ地形は山城の空堀状で通過が大変だった。見通しの良いこの時期だけの小さな探検。

1085 狐岬からの羊蹄山

狐崎からの羊蹄山湖岸を一周する道路から100m、緩い藪を登り、狐岬の上に出た。湖面から30m、溶結凝灰岩の節理の断崖の真上だ。この岬についてはブログ975(狐岬)、240(岩壁の履歴)、175(風に吹かれて)を読んでほしい。岬の両側から回り込む踏み分け道があって、先端の崖下に出られる。今は木の芽も硬いが、まもなく羊蹄を望めなくなる。新緑の頃、この下の水際に立とうと心に決めた。

1084 浅い春

洞爺湖・浅い春遅れて降った雪はまだ残っていて、春が近いと思っていたのに洞爺湖には冷たい風が吹いている。羊蹄が白く輝いている。光の春はすでにやってきているのだ。今期の冬の釣はあと半月だ。釣果はどうだったのか。この風景が柔らかな緑に包まれ、草花が一斉に咲き始めるのはあと二か月先だ。心騒ぐ春を心に描きながら、野生とつき合うプランをゆっくりと練るのも悪くはない。

1083 溢れる雲海

雲海朝の気温は4℃、暖かい日となるようだ。洞爺湖を覆っていた雲海が壮瞥の町に流れ落ちている。有珠山の火山性地震は落付いたようだ。有難い。しかし自然は想定外が当たり前。心を引き締めてこの山と向き合わねばならない。明るい春がやってくるだろう。まもなくリンゴの樹の剪定作業が始まる。我々のいのちや生活、美しい風景、すべてを載せて季節はめぐる。