568 小幌洞窟、海鳴りの祠

小幌洞窟11月1日、ジオパーク友の会では小幌駅存続応援企画として26名参加の小幌洞窟探索会を行った。洞窟は標高50mの小幌駅から800m小道をたどった海岸にある。駅直下の文太郎浜へも足を延ばし、帰路の列車を待つ間の大発生の雪虫の中、小幌駅の由来も学び、晩秋の軟らかな日和の中、たっぷりと時間をかけて小幌の自然と歴史を楽しんだ。礼文駅11:27→小幌駅11:35(230円)、小幌駅15:40→礼文駅15:46。

海底火山の堆積物(ハイアロクラスタイト)にできたこの海蝕洞は静狩駅と礼文駅間、約10㎞続く断崖の海岸線の中間にある。古い時代から人々が立ち寄り、住んだ形跡が縄文晩期2500年前にさかのぼるという。1663年の有珠山噴火の直後にこの地にやってきた円空が彫った円空仏も、今はレプリカだがこの岩屋に残されていた。1791年には菅江真澄も立ち寄り紀行文が残っている。近年になっても近隣の漁師たちの船魂参りが行われていて、数千年、潮騒の中で人々の生き様を見守ってきた岩屋である。

567  となりの火山

恵庭岳有珠山ロープウェイ山頂駅の北東の遠い稜線に飛び出したピークが見える。調べたら45km離れた火山恵庭岳の山頂であった。手前の稜線はレルコマベツ川と北湯沢温泉の間のピーク712mあたりだろうか。春、最も遅くまで雪の残る尾根筋である。何年か前の5月の末、林道を通過しきれず、硬くなった車の下の雪をスコップで掘り起こし、やっとの思いで通過したことを思い出した。

566  落葉ヤドリギ

ホザキヤドリギホザキヤドリギが葉を落とし始めた。昨日(10月29日)の夜半は吹き荒れた。地表には落ち葉に紛れて一枚の葉を付けた黄色い花序が落ちていた。見上げると宿主のニレの葉は残り少なく、ホザキヤドリギの葉も同様だ。どちらも落葉広葉樹の一員として季節に乗っかって葉を落としている。写真の右下、アカミノヤドリギの判別しやすい形の常緑の葉はしっかりと残っていて対照的だ。

565  明るい晩秋冬隣

有珠山の初冠雪10月25日朝、有珠山は初冠雪。前夜からの里の霙は海抜737mの有珠山に雪を降らせた。手前の昭和新山の屋根山が白く見えるが、これは早めに葉を落とす習性のドロノキの白い樹冠の色。裾野は晩秋綴れの錦。手前の畑には秋蒔きの小麦が若い葉を伸ばしている。雪枯れ病の防除をされて半年雪の下で眠りにつく。収穫は来年8月麦秋の後。

564 またやってきたね

アトリブログ485で「アトリが多い」と投稿したのは今年の3月21日。数日前、近くの稲株の残る田んぼ跡に小鳥の群れがいた。よく見るとやはりアトリ。300羽ほどの群れで、飛び立って一斉に向きを変えると群れ全部の腹が光る。朝日を受けてトドマツの黒い森ととんがり屋根の壮瞥小学校。この群れはこの地で冬を越すのだろうか。小学校の子供たちに教えなくっては。

562  秋色大有珠

大有珠シベリアからの冷たい風が吹き込んできて、この一週間で有珠山の樹々も色づいた。私の好きな画角の大有珠の旧い溶岩ドームのかたわれ。

1977からの噴火活動で半分は崩壊し、半分は引きちぎられて移動し、昔日の土瓶といわれた丸さは残っていない。左奥にその時の活動後半に隆起した有珠新山、その手前の白く見えるのが外輪の尾根筋である。

560  落ち武者台風

落ちリンゴ太平洋にある巨大な積乱雲の渦の時からその消長、行方が気になっていたが、目ができ超大型のチョーイワン(CHOI-WAN=彩雲)という台風23号になった。北日本へ進路をとり道東をかすめ温帯低気圧になったがエトロフに在ってもまだ964hPa。昨日の北海道は強い風に翻弄された。一週前の21号くずれで庭のリンゴがずいぶん落ちたが、さらに100個以上落とされた。あと2週後に収穫の予定だった。落果狼藉。

559  ドームの噴気

昭和新山ドームの噴気気温が下がってくると昭和新山のドームの噴気が良く目立つ。午後三時近く、逆光を浴びていよいよ白く光る。誕生70年だが体内の情熱はまだ盛ん。後ろに控える大有珠もかつてはこのように蒸気が出ていたのだろう。右側の大きな噴気の左下に見える凹部の噴気が亀岩である。

557  バージョンアップ暴風

天気図台風21号くずれの低気圧が見せかけ弱まって、北上しながら急速に発達し、稚内沖で946hPaまで強さを増した。(https://weather.yahoo.co.jp/weather/zoomradar//)北日本全域に強い西風を吹かせ、我家でもあと二週間待ちのリンゴ王林二本が50個も落ちてしまった。東北、北海道の果樹栽培地は日本海側に多いから、この時期、特に津軽や余市などのリンゴ農家は大変だろう。

今日の天気図と気象衛星画像は地学のテキストに載せたいくらいぴったりの出来合いで、素人目にも気象の解説に弾みがつきそうだ。寒冷前線の見事さ、風の向きと強さにについて、そしてこの低気圧の行く末は、など、興味津々だ。

556  オオフクマメは隠元豆

オオフクマメ裏庭に続く隣の畑。今年は白くて美味しいオオフクマメだった。豆は手柴に巻き付いたまま干され、機械がやって来て収穫、次の日、殻は燃やされて畑は土に戻った。このマメはインゲン豆のこと。赤いのはキントキ Kidney beans(腎臓まめ)で刑事コロンボの好物のチリビーンズとなる。この地の特産の白インゲンは和菓子の高級原材料だ。隠元禅師とコロンボと和菓子が繋がった。