1033 小有珠とオガリ山

小有珠とオガリ山有珠山は眺める場所により姿を変える。今日はこの山の新しい顔を見つけた。洞爺湖町の大磯新港からの山頂部西面だ。東外輪越しに見る小有珠(557m)。奥は1977年噴火の後に隆起したオガリ山(672m)だ。小有珠は1662年の噴火再開以降、たびたび有珠山噴火の主役となり、形を変えながら現在に至っている。その向こう側には I (アイ)火口と銀沼火口が今でも噴気を上げている。

1032 鳥よ、鳥たちよ

マガン明るい冬の空、マガンの群れが低く飛んでいる。畑、里山、街の上をいくども旋回し、やがて丘陵の陰に消えた。大きな鳥だ。翼の色が濃く胴が太い。ただ者ではないその力量感に打たれ、カメラを手にしたまま呆然と眼で追っていた。生き物の群れが持つ存在感は、私の心を揺さぶり、かつ覚醒させる。置いて行かないでくれ。 鳥たちは過去を顧みない。(伊達市館山 2020 JAN 22)

1030 シメ

シメ窓際で新聞を読んでいたら、突然ガラスに音がして、瞬間細かい羽毛が飛び散った。枯れ葉の上にシメが落ちている。毎年のことだが、北から渡ってきて間もないこの時期、不憫でならない。経験少ない若鳥なのか、何かに追われてなのか。音の瞬間を聞き分けて、ここをなわばりにしているハシボソガラスがこちらに向きを変えた。シメの体はまだ暖かく、眼には明るい空が映っていた。

1029 ローズヒップ・薔薇蘭燈

ローズヒップRosa rubiginosa 。Rosa はバラ、rubiはルビーにもつながる赤い色を指すようで、羅和辞書には赤色、錆色とあった。Rosa eglanteria はsyn. 冷たい風に吹かれ冬の陽を受ける赤い果実。この色をどう表現したらよいのだろう。鮮明かつ深みをにじませる赤色。旨みの予感も感じる。この実はローズヒップティーとしてヨーロッパ中心に人気がある。ノイバラ、ハマナスもこのグループ。

1026 ブラムリー・Bramley 

ブラムリー・Bramley我が家のブラムリーは矮性台木仕立ての4年目。イギリス由来の扁平なクッキングアップルだ。Royal Horticultural Society(英国王立園芸協会)刊の  The English Apple. Rosanne Sanders 1988 には、122種の詳細な解説・油彩挿絵とともに「200年の伝統をもち、1883年の王立園芸協会博覧会で1等賞を得た、最も広く栽培されているイギリスの日常的料理用りんご」とある。

1023 隣のキタキツネ

キタキツネ裏庭のリンゴの木の下をキタキツネが横切った。落ちリンゴを鼻であしらって通り過ぎる。カメラを手に裏木戸から飛び出すと待ち構えたように立ち止まって、何か言いたそうな目つきをする。幼さが残る若いキタキツネ。ブログ1005,1012のあの子か。とすると、親からなわばりを譲り受けたのだろうか。健康そうだけれど、-20℃、地吹雪の吹きつのる、長い厳しい冬がやってくるぞ。

1022 北の干柿

北の干柿隣町伊達市には柿が育つ。海に面した街並みの気候は温暖であり、北海道には珍しく柿の並木がある。甘柿はできないようだ。市役所通り産という20個ほどの渋柿をいただいたので干柿を作った。皮をむき、熱湯に数秒ほど潜らせるがミソ。表面のぬめりが取れ黴が生えにくい。10日から2週ほど乾して完成。逆境で育ち甘みは少ないが、ねっとりした旨みが伝わる。北限の干柿だ。

1021 秋色昭和新山

昭和新山ブログ1019の逆方向からの昭和新山。こちら側からは屋根山から突き出る山頂ドームが良くわかる。山頂はせりあがった、やや灰色がかったデイサイト質の溶岩だが、上に乗っていた土壌を焼成したため、煉瓦色に見える。75年前の新山誕生時には海抜406.7mとされたが、現在の地理院地形図では398mとなっている。麓から始まった植生の回復は頂上付近にまで達している。

1019 新山沼の黄葉

新山沼晩秋、湖面に昭和新山の円い屋根山が映っている。斜面上部の白く見えるのは葉を落としたドロノキを中心とした林。その下の黄葉はカラマツだ。手前の数本のポプラの向こうに灰色に見えるドロノキの林冠も見えている。この沼は1944年の昭和新山の噴火で遮られた壮瞥川の溢水の名残りだ。屋根山の膨らんだ右奥部分に山頂ドームが辛うじて透けて見える。お分かりになるだろうか。

1018 カシワとミズナラ

 カシワとミズナラ昭和新山の麓で、隣り合うカシワとミズナラを見つけた。群落を作る傾向のあるカシワの葉縁は波状で、春の萌芽の季節まで葉を落とさない(写真左側)。堅果(ドングリ)を量産するミズナラの葉は鋸歯状で間もなく全ての落とす(写真右側)。晩秋の林に色づく Quercus(コナラ属)2種。凍てつく寒気と吹雪の中で、それぞれ遠目にも異なる生き方で、あと数か月後の春を待つ。