969 冬に抗う・カシワ

カシワ道央自動車道の伊達インター近く、牧草地なのだろうか、その中にひときわ目立つカシワの樹があった。カシワは冬季葉を落とさない。葉を付けたまま北西からの寒風に耐え春を待つ。コナラ属(Quercus )、とりわけカシワの葉の離層の形成が遅く、維管束が秋以降も活動しているからだという。そう言えばミズナラの落葉も遅い。この樹ともう一度、雪原の中で出会うのが楽しみだ。

967 新山ドームにも初雪

昭和新山ドーム三松正夫記念館の前庭からのドーム西面。頂上、サンゴ岩、ドームの隆起が始まった第4火口の縁が見える。今朝の初雪が残っていて、最後の黄葉に縁どられた岩肌が、岩肌に滲みこんだ初雪と、沈まんとする夕陽を受け赤く染まっていた。1945年に隆起し始めたドームは、今年で74歳。溶け残った初雪と、葉を落としたドロノキの白い幹は、ドームに齢相応の白髪、白鬚のようだ。

966 とうとう初雪

初雪明け方、静かに初雪が降った。裏庭のまだ緑だった芝生も、その上のサクランボの黄葉も柔かい雪に白く覆われていた。いつもの年は11月初めが初雪の目安だった。昨日の札幌の雪は128年振りの遅い雪だという。温暖化で平均に暖かくなるわけではない。撹乱する大気は極地の低温を運ぶかもしれない。とうとう本物の冬がやってくる。おチビさんたちとブランコも片付けなくっては。

965 ビート畑

ビート畑裏庭に続く近所の農家のビートは数日前に収穫が終わり、積み上げられてシートで覆われている。畝には霜が降りて、遅い初雪のニュースも入った。向うに見える有珠山には雪はまだ見えない。隣の伊達市にある製糖所へビートを満載した大型の貨物車が町を通り抜ける。1880年(明治13年)に官営紋別製糖所が設立されて以来、冬になるとビート(甜菜)は運び続けられている。

964 黄金の味

マルメロ裏庭のマルメロでジャム作ろうとしたが、圧倒的な香りと濃厚な味に惑わされて、そのまま砂糖菓子にした。酸味が強いので、グラニュー糖はマルメロスライスの50%。半量をスライスにかけおき、数時間後に20分煮る。ハンドブレンダーでピュレーにし、さらに残りの砂糖を加え15分煮て熱い内にチョコレート型に詰めて完了。脳みそに滲みこみ、いつまでも離れない芳醇。

963 秋の虹

秋の虹西から東へ雨雲が渡る。今朝から何度、時雨を数えただろうか。雨が通りすぎたあとに、いくつもの虹を見た。一日中大きな虹や、虹の断片を見ていた。そして最後に、有珠山に沈む夕日が、東の丘陵に黄葉を染め上げて、落ち込んだ草地の向こうでひときわ大きく弧を描いた。秋の虹は消えやすいという。時雨も虹も秋風に送られ、心にとどめる間もなくどこかへ消えていってしまった。

961 暮秋・昭和新山

暮秋昭和新山晩秋の装いも終幕。ドームの下の屋根山に白く浮き出ているのは、すっかり葉を落としたドロノキ。裾の黄葉はシラカバやカラマツ、褐色に輝くのはミズナラの硬い葉。新緑に萌えた春、濃い緑の影を落とした夏を経て、この裾模様が締め括り。半年輝いたいのちの時を終えて、静かな眠りにつく。梢の蕾は寒風に耐え、林床の新芽は病葉に埋もれて暗闇の中で雪解けの滴る音を待つ。

960 エグリトビケラ

エグリトビケラ幼稚園の小さな池で、ヤゴや小型のゲンゴロウに混じって不思議な生き物を見つけた。はじめはニンギョウトビケラが、砂礫がない環境で巣材を手ごろな植物の破片で間に合わせたのかと思った。でも、近くに同じような形で切り取られた落ち葉が見つかった。10固体、画像として収め(画像の野帳右ページ)、調べ直したら、どうもエグリトビケラの幼虫らしい。身近にある面白ワールド。

959 この芽をどうする

ヒマワリの種子が発芽山の赤い実も少なくなって、冬の小鳥が里に下りてくる時期だ。餌台に新しいエサをと思ったら、ペットボトルを逆さまにした餌の容器の中で、食べ残しのヒマワリの種子が芽を出していた。逞しいね、この芽をどうしようか。このまま育てるわけにもいかない。なんとか4本の苗を救い出して、室内用の鉢植えにした。荒れ放題の温室育ち。上手く育ってくれるかどうか。

958 燻製を作った

ベーコンを作る市販のベーコンが実に不味い。地元の旨いバラ肉3本に天日塩をたっぷり刷り込み、冷蔵庫で5日間塩漬。スパイスは粗びきペパー、ミックスハーブのみ。5時間水に浸けて塩抜きし、1日乾燥。65℃まで温度をかけ燻煙は4時間。料理に使える上出来のベーコンができた。ことのついでに地元の魚も燻しあげ(上段)、途中で取りだした北海道産プロセスチーズもごらんの通り(下段)。