790 鵜泊のホルンフェルス

鵜泊のホルンフェルス 先週この岩を尋ねて出かけたが、1km先の水垂岬まで行ってしまい、そこでは花崗岩によく似た岩石を採取しただけだった。今日は再確認して、お目当ての磯全面がホルンフェルスだという岩礁地帯にやってきた。黄褐色をした大岩壁が見事だ。ホルンフェルスは砂岩や泥岩が高圧高温の下に熱変性したものだ。熱の供給源はこの付近の花崗岩を構成したマグマだという。

776 流れクジラ

流れクジラポンアヨロ海岸の灯台の下にクジラが打ち上げられていた。10日前には無かった。今は大潮なので満ち潮で運ばれたのだろう。7~8mの髭クジラ。種名は分からない。ここはよく人の集まる景勝地。近くにはホテルもある。大潮のうちに引きずり出さねば、腐敗が始まるとこの夏、大変なことになる。自然にはよくある、ごく当たり前の置き土産。

775 ハマヒルガオ

ハマヒルガオ伊達市西浜、砂浜の奥にハマヒルガオの群落を見つけた。肉厚で照り葉なのは海浜植物の特性だ。吹きつける塩分を含んだ飛沫や風、強い日射から体内環境を維持するための防御策。縁どりのある濃いグリーンに放射柄の明るいピンク。これは不安定な砂地でいのちを繋ぐための自己主張でもある。目を引く夏柄のワンピース。過酷な環境に生きる者の強かでビビットな世界。

773 ポンアヨロ海岸

ポンアヨロ白老町のアヨロ鼻灯台。アイヌの伝承の地「神々が遊ぶ庭」に接し、縄文時代から継続している遺跡がある。 今は干潮時で潮下帯のコンブ、スガモ、潮間帯のアオサ類、ウミトラノオや飛沫帯のカサガイなどが種類を異にし、色を変えてすみ分けている。 砂利浜の上の岩盤はクッタラ火山から溶結凝灰岩で、押しつぶされた軽石が見られる。褐色のバンドは地質図のポンアヨロ浮石層に相当するようだ。

769 六月の魚

六月の魚早朝、知人が魚を持ってきた。漁師さんを手伝っているという。身の細やかなで上等なババガレイと腹卵の美味しい大振りなアサバガレイはもう鍋の中で煮付。ここで気が付いて残りの撮影。マガレイとソウハチで15枚。ヤマメの親のサクラマスと手ごろな大きさのエイ(カスベという)。魚があると米がいらない私にとってこんな幸せが。庭の脇の特設流し台。ここも私のお気に入り。

760 黄砂

黄砂春霞ではない霧でもない周囲の風景が朝から覚束なかった。伊達の海岸に出てみると風景は古い写真のようにセピア色。気象衛星の写真には朝鮮半島の付け根から日本海を横切り、道南まで延びる黄土色の帯がはっきりと写っている。黄土地帯にある高気圧から樺太の低気圧へ、偏西風も関わって、大陸から島国日本への、絵にかいたような大気の流れだ。アルトリ岬を遠くに望む。

755 私はカモメ

オオセグロカモメЯ Чайка 。チェーホフも書いた。テレシコーワも使った。チャイカはカモメ。写真はオオセグロカモメ。北海道野鳥図鑑にはТихоокеанская чайка となっている。  訳すると「太平洋カモメ」だ。4月18日、春の嵐は荒れに荒れた。強風は植え付けたばかりの野菜に被害を与えた。翌日有珠の砂浜へ出かけると、大波で打ちあげられたホタテをオオセグロカモメたちが争って食べていた。

752 グリーンタフ

グリーンタフ道央西部は樽前、登別、有珠 、羊蹄、ニセコと火成岩地帯だが、その西南部には新第三紀中新世~鮮新世の火山噴出物の堆積がある。緑色を帯びた緑色凝灰岩( green tuff )は東北・中部地方の日本海側に広がって分布している。旧石器時代に道南で使われた珪質頁岩を探して国縫川を遡ったら、転石の中から冬の凍結で剥離した標本を得た。この川岸では随所で露頭の観察でき、正面奥の崖面もグリーンタフだ。

749 イタンキの春

イタンキ浜月齢5,0日。中潮とはいうものの潮位は充分下がった。春めいた鳴り砂のイタンキ浜。日曜の昼下がり、潮の引いた浜辺を楽しむ人を撮っていたら、背後、中空から楽しむ人もやって来て驚いた。この浜だけは昔日の面影を残していて、ここを歩ける人は幸いだ。明るい大気に潮の香と春の海の海藻の臭いが混じっている。なんという芳醇な世界。潤沢極まりない時間が流れる。

744 エゾイガイ

エゾイガイイガイを道南地方ではヒヨリガイという。大型で安かったが産卵期が終わったのか身は痩せていた。左上がエゾイガイ Crenomytilus grayanus 左下は殻が細身でイガイ Mytilus coruscus と考えたがエゾイガイ。右2個は エゾヒバリガイModiolus modiolusで属が異なる。イガイ科 Mytilidae の大型3種同時に買えたと思ったが残念ながら2種だった。産地は白老産と表示されていた。