36 地中のガラス 投稿日時: 2012年2月17日 投稿者: nizaemon 豊浦町のトンネル工事現場から出た黒曜石をいただいた。アメ色のガラス質だ。数km離れた豊泉川の河床からは、昔から黒曜石の亜角礫が産出され、縄文時代の石器の材料として使われていたという。洞爺湖火砕流起源として地下で繋がっているのだろう。構成微量成分の組成差で産地が特定されるので、石器の原材料としての流通経路を判読する格好の資料でもある。
34 北に旅して 投稿日時: 2012年2月14日 投稿者: nizaemon アルトリ岬の有珠湾側、かっては流れ山であった岩礁地帯がはるか沖合いまで砂地を伴いながら続いている。荒れた後で、浜には藻場から千切られた流れ藻が積み重なっている。ここの海には昔ながらの海底、そう、海の生命の揺籃の場が残っている。澄んだ浅瀬でガザミを見つけた。遊泳肢をもつ南方系のカニだ。暖流に乗ってやって来て、北に住みついた開拓者の末裔である。
33 潮間帯 投稿日時: 2012年2月14日 投稿者: nizaemon アルトリ岬の潮間帯博物館。フノリ、マツモ、ムラサキインコ、タマキビ、イワフジツボ、etc.etc.。いずれも北の海の生き物たちだ。図鑑が幾冊あっても足らないほどに役者はそろっている。みんなそれぞれ必要とする生態系の階層に従って順に棲み分け、パッチやコロニーを構成している。人の手が入らない海岸はごくあたり前に豊かで、人の心をたっぷりと満たし、癒してくれる。
32 有珠山 海の豊饒 投稿日時: 2012年2月14日 投稿者: nizaemon 小潮だが潮位が44cm、干潮時が14時。快晴、凪ぎとみてアルトリ岬へ向かった。岬には春の光が満ちていた。北国の春は海から始まる。露出した潮間帯は生き物たちの群落で埋め尽くされ、数えきれないほど多くの生命であふれている。遠くに有珠山。7-8千年前、この山が山体崩壊し、「流れ山」群をつくり、その海が磯となった。縄文の民の命を支えたのもこの海だ。
14 冬の始まり 投稿日時: 2011年12月2日 投稿者: nizaemon 北舟岡の海を望む畑地で冬の始まりの風景に出合いました。畑は凍てつき、老樹は葉を落とし、海はにび色に光っていました。遅かった今年の冬も冷たい十二月の風に乗って確実にやってきています。こうやって、凍てつく季節を迎え、ひとつ歳をとり、新しい緑なす春がやってきて、生きものたちは一巡します。この大地はいく万回これを繰り返したのでしょうか。いつもいつも吹き続けている時の風に乗って、、。