877 誘われてカミキリ 投稿日時: 2018年3月17日 投稿者: nizaemon 数日前、陽の当たる工房の天井を何かが飛んだ。次の日に食卓の上の梁で見つけ、愛用の図鑑「札幌の昆虫」でイタヤカミキリと同定した。どうやらストーブの横に積み上げた薪から目覚めたらしい。雪のある裏庭の薪置き場にはまだ戻せない。急遽、腰高シャーレにビオト-プを拵え、砂糖水で濾紙を湿らせて置いたら、うまそうに口を付けた。あと一月、付き合ってみよう。
874 氷上のクモ 投稿日時: 2018年3月11日 投稿者: nizaemon 長流川の河原、融けかけたザラメ雪の上をうろつくクモを見た。小振りだが、胴の色や形、脚の運びからアシダカグモを思い浮かべた。でも、ここは北国、それも雪の上だ。この写真を基に調べたらアオグロハシリグモの名が出てきた。北海道にも分布し、水辺にも生活するとなっているが、同定しきれず不明種。クモ類の分類は苦手だ。3月4日は啓蟄だったという。寒さは緩んでいる。
872 奇妙な均衡 投稿日時: 2018年3月7日 投稿者: nizaemon 裏庭のサクランボの古木に吊るした手製の餌台。ペットボトルにあけた餌の出口は1㎝×5㎜。山の餌がなくなる時期なのか、シメが3羽、シジュウカラは雄雌合わせて3羽、スズメは10羽程が来ている。嘴の太いシメはたまにしか餌を取り出せず、食い残しや落ちてくる餌を待つ。スズメはいくらでもつまみ出し、辺りに弾き飛ばすが、ヒマワリの種子は硬くて完食できない。シジュウカラは名調子で鋭い嘴で食い散らかし、スズメとシメはそのおこぼれを頂戴する。この三者、とくに仲良しではないがいつも同時にやってくる。互いに暗黙の連携ができていて、自ずから均衡がとれている。
870 ピータン甕ビオトープ 投稿日時: 2018年3月3日 投稿者: nizaemon いつもは庭置きでバイカモが増え、ウキゴリ、ヨシノボリ、ドジョウ、モノアラガイを飼っている。アメンボもトンボもやってくる。コケボールにはハコベ、ヨモギなどが生える。冬は室内に入れキンギョ、オリヅルランで楽しむ。根元に赤い平らなキノコが生えきて、調べたらアラゲコベニチャワンタケ(粗毛小紅茶碗茸)。驚いた、周囲にまつ毛を持った赤い小さなチャワンタケだ。
867 オオチカ 投稿日時: 2018年2月21日 投稿者: nizaemon 子どもの頃、室蘭の港でチカを釣った。悴む手で、指先くらいのが30尾余り。上手い人は80尾も釣って「オオチカ」も混ざっていた。えさはタマキビの心臓(赤い口球=歯舌嚢)のチョン掛け一匹釣り。今全盛のサビキ釣りよりはるかに面白かった。昨日街で新鮮な20㎝もあるオオチカを買い、塩で一晩締めて、まだ春浅い梅の木に干した。チカ、キュウリウオのナマの匂いが大好きだ。
864 カラスの行水 投稿日時: 2018年2月18日 投稿者: nizaemon 言葉通りの夏の暑さしのぎと思っていたが、雪があり気温-2℃、水温も2~3℃だろう。ここは伊達港に近い気門別川。いたる所でカラスが「水浴び」をしている。この3羽、手前はハシボソガラス、奥がハシブトガラス 。となり合って3羽とも水浴びをしたが、行動学的にどんな意味を持つのだろう。少なくともハシボソ2羽は頭の毛を逆立て、かなり興奮していた。意味は分からない。
858 雪の足跡 投稿日時: 2018年2月7日 投稿者: nizaemon 壮瞥滝下、沢伝い水伝いに続く足跡。キタキツネと、カルガモだろうか水かきの付いた四角い足跡もあった。連れ立って歩いたとは思わないが、雪の様子からして昨日から今日のことだ。すれ違いがあったかもしれない。少し上流には羽毛の散らばった古い修羅場の跡もあった。陽の光も強くなっているし、湧水際の緑の草の色もある。やがて来る春へと繋がるいのちの脚跡。
856 エゾシカの革 投稿日時: 2018年2月5日 投稿者: nizaemon ブログ846のエゾシカの皮がなめし終わり、半乾きながらこのようになった。脂肪や結合組織の取り残し部分が厚くなって残っている。なめす前にするべき作業だった。この時点でのスクレーパーは役に立たないので、指先で摘み上げて黒曜石の石刃や破片の刃で丁寧に削ぎ取る。切れ味は文句なしだ。はるか遠い昔の、ご先祖さんたちの真剣な眼差しと後ろ姿が浮かんできた。
851 カワアイサ(雄) 投稿日時: 2018年1月22日 投稿者: nizaemon 伊達市の街中を流れる気門別川は昨年の出水で荒れたまま。川原に降りたらカモが慌てて飛び上がった。数コマを収め、調べたらカワアイサ。私にとって初めての確認。身体が重いため、飛び立ちには助走が必要とあった。こともあろうに、眼の前を通過した。ツートンカラーに赤い嘴と脚。目を見開き、必死の面立ちは心に残る。野生はいつも真剣だ。一心不乱に生きている。美しい。
850 タンネシラル 投稿日時: 2018年1月21日 投稿者: nizaemon 室蘭、タンネシラル。アイヌ語では長い磯(知里真志保・山田秀三、1960)。半世紀以上前、私はこの崖地をましらのように走り回り、この海を潜りに潜った。岩肌に残るタフォニからは時の流れを、潮間帯の岩棚とその先の深みへの落ち込みからは海中の生き物たちの姿を学んだ。昔は「ハカショ」と言ったが意味はわからない。中学から高校時代、この磯での思いはつきない。