1009 異形の生きもの

異形の生きもの裏口ののガラスに映ったニホンアマガエル。ガラスが透明でないがゆえにおどろおどろしい。こんな生き物がいるなんて。客体として考えてみると、得体の知れない不思議さが募る。原猿のメガネザル、ヤモリも同じで夜行性で肉趾がある。だが足先のミクロ構造はそれぞれ異なるようだ。湿潤で粘性のある繊毛や、皮膚面の柔軟性が特化してハイパーな機能へと進化したようだ。

1006 カメムシの卵と幼虫

 カメムシの卵と幼虫風呂場の窓ガラスに小さな卵塊を見つけた。数日たって周囲に芥子粒くらいの動く点を見つけ、ルーペで覗いたら臙脂色をした幼虫だった。室内からの観察だから、裏側からの視点だ。60mmマイクロレンズで撮影して拡大した。ネット上のクサギカメムシの幼虫に似ているが、詳細はわからない。裏庭のプラムの果汁を吸いに来たカメムシなのか。1週間ほどで卵殻を残して姿を消した。

1005 子ギツネのサクランボ

s-kDSC_5278_edited-1今年生まれたキタキツネの子がやってきて、落ちていたサクランボを食べていた。尾の先が3㎝位白い幼いキツネ。ためらうことなく、ちびっ子たちのために作ったツリーテラスにも上り、自慢顔。ほかの3匹の兄弟もどこかで自分の場所を見つけているはずだ。この季節を過ぎると、親から激しく攻撃されて、どこかへ行かざるを得ない。来月8月は子別れの儀式となる。(台所の窓から)

1003 4匹の子ギツネ

子ギツネたち2匹のキタキツネの子が、と思っていたら、なんと4匹だった。それもハシボソガラスガラスの巣のすぐそば。巡ってきた季節は新しい出会いをこんな形で提示してくれた。減少する一方の野生だが、私の杞憂をどこ吹く風と、その強さ、したたかさを見せつける。子ギツネたちには過酷な世界が待っている。これからが野生の本領発揮だ。カラスは庭から、キツネは二階から撮影した。

1002 新しい家族

ハシボソガラスここをテリトリーとするハシボソガラスに子供ができた。それも4羽。9年も前から続いたつがいの雄が去年いなくなって(死んだと思う)、新しいオスとの間にできた子だ。嬉しいね。家の前の大きなクリの木に4羽の姿。子ガラスは騒ぎ立て、しゃがれ声で餌をねだる。二羽の親はせっせと餌を運ぶ。このひと月はさぞかし賑やかなことだろう。ご近所さんも大目に見てやってほしい。

999 旨いぞ、ボタンエビ

ボタンエビしけの影響で延びていたエビかご漁が解禁、室蘭産がスーパーで入手できた。ボタンエビ、和名はトヤマエビ。北海道では噴火湾産がメインだ。身が締まって生きがいい。食わない手はない。刺身は甘い。鉄砲串を打った塩焼きは香ばしく、丸ごと食べる。刺身はワサビよりは裏庭のホースラディッシュか、焼き物にはタイムか、などと考えた。1匹100円見当。旬を食べると長生きする。

994 微睡むカシラダカ

カシラダカ地吹雪の正午前、気温は-11℃。窓越しの壁際にちいさな鳥がふっとやってきて、ツタの枝に止まり目を閉じた。風をよけて身を隠し、一瞬のまどろみだった。カメラに収めたあと、もう仲間の声に同化して飛び去った。小鳥の心拍数は毎分数百回以上だという。一日食べないと餓死する。瞬時に眠りに落ち、次の瞬間目覚めて群れとともに風の中に消える。時の中を駆け抜けるいのちだ。

991 冬を釣る

洞爺湖で釣る冷えた朝、洞爺湖北岸。シカの足跡をたどって湖岸に下りた。澄んだ大気の中、中島が近く見える。風はない。水際の浅い雪をたどると遠くに釣り人の影が見えた。フライを振っている。遠見だけれど、釣れたのかそうでないのか。そんなことではない。ここでは水の冷たさも時間もすべて止まっていて、この瞬間だけが真実だ。この風景だけを釣果として満ち足りて帰路につけるだろう。

988 旅の終章

旅の終焉豊浦町の貫気別(ぬきべつ)川河口でハシボソガラス、オオセグロカモメが鮭の朽ちた骸を啄んでいる。オジロワシも見える。流れには襤褸布のような魚体が引っかかって揺らめいている。この川で孵化し、北太平洋を回遊してきた強者達の終章がこの一幕だ。故郷へ帰って産卵し、鳥たちに食われ、土へと還る。この川の上流にはインディアン水車もある。いのちの輪廻が見える。

987 洞爺湖中島・西山

洞爺湖中島・西山洞爺湖中島で最も高く、見晴らしの良い西山山頂。頂上は標高455m。細長い稜上から見わたす中島中心の360度の眺望は痛快だ。火山マイスターなどのガイドで登ることのできるが、この数年来の重なる台風や暴風で、踏み分け道が荒れていると聞いた。その道は従来、シカの「けものみち」を利用していたので、シカの個体数が減った現在、辿るのが面倒になってきたのかもしれない。