1117 名残りの一房

ポートランド玄関わきのブドウ「ポートランド」が今年もたっぷりと実を付けてくれた。収穫は一月も前だったのだが、葉の陰に隠れて、いくつもの小さな房が残っていた。甘く爽やか味と、独特な風味(フォクシー香)が好きで十年も前に植えたものだ。今朝は氷点近くまで気温が下がり、草地は霜で真っ白だった。今日はこの冷えた一房。10粒ほどだが、円熟にして濃厚な、極上の一房が食べられる。

1116 樹と嵐

折れた樹洞爺湖勉強会で中島の裏側へ回って驚いた。折れたトドマツがそのまま立ち枯れている。6年前の8月30~31日、台風10号が強風を伴って太平洋から日本海へ抜けた。風は中島の中央にある平地・大平原からこの隘路を湖上へと吹き抜けた。強い風は太い樹を根こそぎ倒すが瞬間的な烈風は否応なく幹の真ん中をへし折ってしまう。強風の凄まじさが人手の入らない自然の中に残こされている。

1115 イタリアトマトのソース

ルガンティーノ充実したトマト、イタリアトマトがまた手に入った。早速トマトソースを作る。オイルにガーリックの香りを移しタマネギみじん切りをソテー。水気の少ない果肉を潰しながら加熱し、天日塩、ハーブミックスのエルブドプロバンスと裏庭の唐辛子を加え煮詰める。まろやかで濃厚、芳醇な赤いソースの出来上がり。ひと味個性を加えると、パスタに、肉料理に、中華、和風に、縦横無尽。

1114 突然ですが

ルガンティーノ隣町、豊浦町産という白ナスとトマトを頂いた。それと我家のクッキングアップル、ブラムリー。白ナスはよく知られていて、炒め物でおいしいが当地ではまれ。稜をもち存在感のあるトマトは濃厚な果肉のイタリア品種。扁平なリンゴ Bramley は熱をかけるとホロリと溶けるイギリス種。食の新情報も世界中でシャッフルされて更新中。時代は食から変わるのかも。

1113 大夕焼

有珠山夕焼けこのところ雨が多く大気が澄んで空一面の茜色。左に昭和新山、中央は有珠山。こちらの真西からぐるっと.東までが赤く染まっている。黒く沈み込む大地と、地球のあちらまで続くであろう上層の雲の色。己の魂を引っさらってゆきそうな。 大夕焼(おおゆやけ)は夏の季語。北海道はとっくに秋に入っているが、今年一番のゆうやけで、まあいいか。「大夕焼今日一日は我にあり」仁左

1112 鬼っ子といわれて

アメリカオニアザミ棘だらけで目の仇にされているアメリカオニアザミ。出自はヨーロッパ。人類の活動に従って世界に分布を拡げた。今ある自然は侵略と撹乱の末にできた。このアザミに罪はない。生態系被害防止外来種とは勝手な言いがかりだ。二次草原、都市環境、自然災害の荒廃地に生きるニッチを見つけた。森には生えない。切り倒し綿毛をほぐして火を付けたら「ボン」と爆発した。怒っている。

 

1111 吊るし雲

吊るし雲窓越しに面白い雲が見え、カメラを片手に湖の見える壮瞥公園へ。幾重にも重なった典型的な吊るし雲だ。いくつもの洞爺湖中島と向こうには昆布岳の稜線。前日のたっぷり降った雨で澄みきった空気の中、好きな雲がみられて幸いだった。風の向きからいって羊蹄山由来の雲だろう。時間に連れて上の方から薄れて行った。

1110 アカンサス

アカンサス随分むかし、ルスツの農家の庭で出会って、惚れ込んで入手した。人ぞ知るギリシャの石柱のレリーフの飾り模様がこれ。柱ともどもデザインとしてシルクロード伝いに受け継がれ、飛鳥や平安朝の寺院の円柱となり、葉の方は唐草模様となった。植えてみると葉も花も実に存在感があり、さもありなんと思う。夏眠をして秋にまた葉を茂らせ、翌春またまた同じ葉を茂らす。力をもらえる。

1109 ヒメヒオウギズイセン

ヒメヒオウギズイセン隣のリンゴ果樹園さんにいただいた裏庭の一株。アヤメ科Crocosmia 属のヒメヒオウギズイセン。クロコスミア、モントブレチアなどの園芸品種名で知られている。この季節、この町の古い農家の庭に盛大に赤い花を付ける。夏に赤い花の少ない北海道では特別な風情だ。開拓の歴史と繋がるのであろう。原産は南アフリカ。世界中で野生化していて、園芸品種もたくさんあるという。

1108 ドロバチの目覚め

オオフタオビドロバチ庭仕事で腰を痛め朝風呂に浸かっていたら窓の内側にハチ。先日も逃がしたばかり。調べるとオオフタオビドロバチ。蛾の幼虫などを狩り、細い竹の穴の巣に運んで卵を産み付ける。脱衣所の鉢植えの支柱は裏庭の竹の束から作った。竹の巣穴で羽化し出てきた我家産の生まれたばかりのハチなのだ。麺棒の先の蜂蜜を夢中で飲み初ウンチ。やがてタンポポの咲く野原に飛んでいきました。