1118 ドロバチ sp. の砦

ドロバチ sp.庭石の側面に長径10cm位の巣穴を見つけた。石に同化していて、オカリナの穴にも見えるし断崖に築かれた古代プエブロの住居のようでもある。穴は羽化した抜け跡で、一匹分の居室に繋がり、親蜂が捕獲した生餌を食べながら成長する。竹筒に住みつく「管住性」のドロバチ類はよく見かけるが、これは見事な団地住まいだ。そういえばこの夏、ご先祖様の墓石の窪みにもあったっけ。

1117 名残りの一房

ポートランド玄関わきのブドウ「ポートランド」が今年もたっぷりと実を付けてくれた。収穫は一月も前だったのだが、葉の陰に隠れて、いくつもの小さな房が残っていた。甘く爽やか味と、独特な風味(フォクシー香)が好きで十年も前に植えたものだ。今朝は氷点近くまで気温が下がり、草地は霜で真っ白だった。今日はこの冷えた一房。10粒ほどだが、円熟にして濃厚な、極上の一房が食べられる。

1116 樹と嵐

折れた樹洞爺湖勉強会で中島の裏側へ回って驚いた。折れたトドマツがそのまま立ち枯れている。6年前の8月30~31日、台風10号が強風を伴って太平洋から日本海へ抜けた。風は中島の中央にある平地・大平原からこの隘路を湖上へと吹き抜けた。強い風は太い樹を根こそぎ倒すが瞬間的な烈風は否応なく幹の真ん中をへし折ってしまう。強風の凄まじさが人手の入らない自然の中に残こされている。