201 原発は要らねえ

エゾバカガイ室蘭のイタンキの砂浜に、エゾバカガイの片ひらが落ちていた。清浄無垢な鳴り砂の浜。私はこの美味しい貝が好きです。軟らかく煮たワカメと和えたヌタが好きです。

大好きな作家、中村和恵さんの「地上の飯」に、ロック歌手忌野清志郎のアルバム発行に東芝EMIが圧力をかけた経緯が書かれていた。忌野清志郎は死んでしまったが、彼の歌「人気のないところでおよいだら 原子力発電所が立っていた さっぱりわかんねえ なんのため 狭い日本のサマータイムブルース」「それでもテレビは言っている 日本の原発は安全です さっぱりわかんねえ 根拠がねえ!」は生きている。1988年の歌だ。彼はいまでも歌い続けている。「放射能は要らねえ 牛乳を飲みてえ」「電力は余ってる いらねえ もういらねえ」

200 春を撃つ

エゾノキヌヤナギ 陽のあたる雪原を背に、苞を脱ぎ捨てたばかりのエゾノキヌヤナギの雌花。和毛が残雪の照り返しを受けている。ヤナギ類の同定はなかなか難しいが、枝先に辛うじて残った、全縁の細い葉がキーポイントになった。この春もまた、小さく軟らかなトリガーを誰かが引いて、この枝先から春が打ちだされる。連なった花序は連射砲。少しだけ見せた青空の下、まだ雪を乗せている大有珠から吹く風の中に春の匂いがする。

199 春の吹雪

春の吹雪 三月に入って日も長くなり、関東以南で春一番をもたらした動きの遅い低気圧は、北海道を通過しながら台風並みに発達し、気圧差60hPaで大陸の冷えた寒気を呼び込んだ。雪雲が途切れて一瞬晴れたがまた吹雪いてくる。裏庭のスモークハウスも積み上げた薪もこの通り。低気圧の南には暖かい風が吹き込むが、北国では西高東低、寒風が吹きまくる。北国には春一番はないが、間近な春感じるこの季節が一番だ。