188 吹雪の幕間

吹雪の合間に 昨日は低気圧が北海道を横切って、酷い荒れ模様になった。有珠山の麓、壮瞥町でも20cmほどの積雪があり、一夜明けての大有珠山頂は見事な白銀の世界となった。しかし、日本海からの雪雲は、積丹を潰し羊蹄山を痛めつけ、撮影直後には昨日同様有珠山を吹雪のベールで覆ってしまった。 あとひと月もすると春分で、南からは梅の花の便りも聞かれるが、まだまだ春は先のことらしい。

187 ニョロニョロ

氷筍 -15℃、吹雪の中を伊達市大滝の円山の通称ニョロニョロの洞窟へと向かう。火山マイスター7名参加で、「大滝アウトドアアドベンチャーズ」の坂井さん、服部さんのガイドで、周辺の自然の説明を受けながらのスノ―シュートレッキングとなった。行程は片道2.5km、往復3時間、雪原と疎林の中、雪を踏みしめひたすら歩く。以前から一度は、と思っていた洞窟の奥での氷筍の見事さはさすがに圧倒的だった。氷筍は-2℃~-5℃の多湿な環境の中、天井からの水滴を受けて育つという。洞窟の奥は幾分気温が高いようで、カメラのレンズが瞬時に曇った。外の外気との差が、いくつもの微妙な条件の中で氷筍は滴りを受け氷結し、生長し、昇華して痩せる。秀麗な火山、徳瞬別岳の自然が育んだ冬季限定の造形の不思議世界だ。

魅力的な体験が出来るが、洞窟内がそれほど広くないこと、氷筍の脆弱さを考えるとオーバーユースに配慮しなければならない。アプローチ地点での駐車スペースがないことや私有地を通過することを考慮して、地域公認のガイド同行が好ましい。