126 岩塔

昭和新山 有珠山外輪からの風景は見事だ。洞爺湖や羊蹄、それに徳舜別、ホロホロ山の峰々、足元に広がる壮瞥の田園風景、私のガイドコースでで自慢の場所だ。しかし、雨で遠望がきかなかったリ大有珠の山頂が霧で閉ざされていると説明する内容を探すのに苦労する。この日は下界に霧が立ち込めていて洞爺湖も遠い山並みも望めないと思っていたら、瞬間、霧が切れて昭和新山の赤いドームが浮かび出た。山の天候は妖精のいたずら、時折見せる一発芸。

125 水抜き井戸

水抜き井戸 火山マイスタースキルアップ講座で長流川に面した幸内(さちない)の地滑り地帯を見学した。講師は宇井先生。地滑り地に特有な地形の説明を受ける。地形図で見ると川から600m離れた山の斜面まで地滑りしたような地形が確認できる。ここの基盤は火砕岩でそれが粘土化し、なおかつ地滑りの下端が長流川で浸食されたうえ、溜った地下水が地滑りの地盤をさらに流れやすくしているらしい。深い水抜きの巨大な井戸がいくつもあった。

124 ドッキリ眼(まなこ) 

クスサン 子どものとき天井板の節穴の模様が妖怪の眼に見えた。眼の模様は力を持っている。蛇の目模様は良く目立つ。瞬きなしの爬虫類の眼はすべての生きものにとって脅威だ。肉食の眼である。したがって大きな眼は人の心をひきつける。トチノキの実を見に行って葉先の釣り糸を撚り合わせたようなクスサンの繭を得た。重いので中の蛹は生きていると思ったら翌日見事に大きな蛾に羽化していた。前翅を持ちあげると立派な蛇の目。おれは肉食だ、近寄るな。