1095 Redcurrant フサスグリ

フサスグリ少し大きめの一株からこれだけの収量。煮詰め、漉して砂糖を加えて、翌日には2.5㎏の深紅のジャムができた。透明感があり上出来のジェリーだ。 私が子供のころ(70年も前)から北海道にはあって、房になったこの色はよく目立ったが、なぜかその隣にあったGooseberry(グスベリと言った)の方が人気があった。ヨーロッパでは古くからジャムや果実酒に使われ、食卓を飾った。

1094 Us-b上のハーブたち

ハーブ畑有珠山1663年噴火の内、特に活動が激しかったプリニアン噴火の噴出物を有珠bテフラ(Us-b)といい、我家の裏庭では数メートルの堆積がある。一連のテフラは当初あった原生の森を埋め、大木は朽ちて壮瞥穴と呼ばれる地中の深い縦穴となる。この庭にも2014年、壮瞥穴が開き驚かされた。今はリンゴ、サクランボ、ヘーゼルナッツなどが植えられ、ど真ん中がこのハーブ畑だ。

1093 ズッキーニの収穫

ズッキーニの収穫裏庭のハーブ畑の角、はびこったミントを退治したら座布団2枚分の空き地ができた。たっぷりと堆肥を混ぜて耕し、苗を植えてふた月。盛大に葉を広げた中からの初収穫。蔓を持たないカボチャだから育てやすく、ありがたい野菜だ。煮物やマリネにも使えるし、肉やチーズとの相性もいい。一皿の色取りを考えてこの色を選んだのは正解だった。成長が早いので支柱、追肥が必要だ。

1092 ヒメマス・塩乾し

ヒメマス・潮乾し洞爺湖畔に住む釣名人から塩をしたヒメマス(=チップ)を「これは美味しいよ」と頂いた。身が締まった分、味は豊穣さを増し、マス特有の香りも濃縮されていて、食べきる前に慌てて写真に撮った。 知里真志保・分類アイヌ語辞典動物編(1962)によると、kapatchep (ka-pat-chep カパッチェプ) [ kapar (うすい) chep (魚) ] 注、ヤマベ(ヤマメ)に比べれば扁平だと。とある。

1090 ルバーブのジャム

1090 ルバーブのジャムルバーブの花穂が立ち上がり白い花を付けた。根元の大きな葉柄をジャムにする。葉をとり、束ねてざくざくと刻む。実に扱い易い素材だ。写真の量で500g。半量250gの砂糖をまぶして一晩おくと汁が滲みだすのでそのまま加熱、20分もすればジャムとなる。とんがった酸味を持たず、穏やかで滋味深い味は極上の一品。北の大地の定番、ルバーブパイもお薦めの贅沢だ。お試しあれ。

1089 エゾギンチャクガイ

エゾギンチャクエゾギンチャクガイ。魚屋の店頭で見るのは初めてだ。ホタテなどのイタヤガイ科 Pectinidaeに属し、旨さと収穫量で北の海を席捲するホタテガイを筆頭にヒオウギガイ、アカザラガイ、イタヤガイなどが日本各地で少量が利用されている。小さいが貝柱とだしが出るのが身上。名は巾着袋に由来するが、北海道の海の民たちは殻の畝の筋張った形からババノテ(婆の手)と呼んでいた。

1088 トガリアミガサタケ

トガリアミガサタケこの季節、ゴールデンウイーク前後には決まって顔を出すこのキノコ。我が家の古いサクランボの根に菌糸がかかわっているらしく、毎年数十個の収穫がある。今年はこれだけ。いくら探しても見つからない。寂しい限りだ。二つ割にして陽に晒して乾す。フランスやイタリアキノコ料理の定番のモリーユの仲間で香りもよい、はずなのだが、今年のは香りも薄い。味が気になる。

1080 深海魚・ゲンゲ

深海魚・ゲンゲ友人が白老近くの市場で買ったとゲンゲを届けてくれた。何にし負うゲンゲ科、すべて深海魚族で魚好きを自負する者として食指が動く。名前は知っていたが俎上に載せるのは初めて。醤油につけ脱水を図ったが身は締まらない。片栗粉にパン粉を合わせカリッと揚げたが、中身は正体不明の柔らかさ。味も香りも伝わってこなかった。この魚の本場、富山の食膳に倣うしか手は無いか。

1075 冷凍ブロッコリー

冷凍ブロッコリー雪の中の旨そうなブロッコリー。雪の畑の採り残しがいくつも顔を出していた。食べられるかなと手を伸ばした。触感は冷凍野菜が少し崩れたようにもろい。その上、この足跡はキタキツネのものか。キツネの食べ残し、いや、もしおしっこがかかっていたとしたら、話は違う。しかし、キツネと食べ物で競合し、分かち合う、そのようなあたりが丁度良いのかも。北の大地の食べ物の話。

1073 マルメロのゼリー

マルメロのゼリー

皮と芯を除いたマルメロ1㎏にグラニュー糖600gを振りかけ、浸出したシロップで煮る。硬いパルプをブレンダーで滑らかに砕き、さらに煮詰め、レモン汁100gを加え熱いうちにシリコン型に詰める。甘く酸っぱく、何よりも舌の奥に残る濃い香りと味がマルメロの本領。粗い繊維感も他の果実にはない魅力の一つ。身近で魅力的な果実だ。お試しを。