1118 ドロバチ sp. の砦

ドロバチ sp.庭石の側面に長径10cm位の巣穴を見つけた。石に同化していて、オカリナの穴にも見えるし断崖に築かれた古代プエブロの住居のようでもある。穴は羽化した抜け跡で、一匹分の居室に繋がり、親蜂が捕獲した生餌を食べながら成長する。竹筒に住みつく「管住性」のドロバチ類はよく見かけるが、これは見事な団地住まいだ。そういえばこの夏、ご先祖様の墓石の窪みにもあったっけ。

1117 名残りの一房

ポートランド玄関わきのブドウ「ポートランド」が今年もたっぷりと実を付けてくれた。収穫は一月も前だったのだが、葉の陰に隠れて、いくつもの小さな房が残っていた。甘く爽やか味と、独特な風味(フォクシー香)が好きで十年も前に植えたものだ。今朝は氷点近くまで気温が下がり、草地は霜で真っ白だった。今日はこの冷えた一房。10粒ほどだが、円熟にして濃厚な、極上の一房が食べられる。

1115 イタリアトマトのソース

ルガンティーノ充実したトマト、イタリアトマトがまた手に入った。早速トマトソースを作る。オイルにガーリックの香りを移しタマネギみじん切りをソテー。水気の少ない果肉を潰しながら加熱し、天日塩、ハーブミックスのエルブドプロバンスと裏庭の唐辛子を加え煮詰める。まろやかで濃厚、芳醇な赤いソースの出来上がり。ひと味個性を加えると、パスタに、肉料理に、中華、和風に、縦横無尽。

1114 突然ですが

ルガンティーノ隣町、豊浦町産という白ナスとトマトを頂いた。それと我家のクッキングアップル、ブラムリー。白ナスはよく知られていて、炒め物でおいしいが当地ではまれ。稜をもち存在感のあるトマトは濃厚な果肉のイタリア品種。扁平なリンゴ Bramley は熱をかけるとホロリと溶けるイギリス種。食の新情報も世界中でシャッフルされて更新中。時代は食から変わるのかも。

1113 大夕焼

有珠山夕焼けこのところ雨が多く大気が澄んで空一面の茜色。左に昭和新山、中央は有珠山。こちらの真西からぐるっと.東までが赤く染まっている。黒く沈み込む大地と、地球のあちらまで続くであろう上層の雲の色。己の魂を引っさらってゆきそうな。 大夕焼(おおゆやけ)は夏の季語。北海道はとっくに秋に入っているが、今年一番のゆうやけで、まあいいか。「大夕焼今日一日は我にあり」仁左

1112 鬼っ子といわれて

アメリカオニアザミ棘だらけで目の仇にされているアメリカオニアザミ。出自はヨーロッパ。人類の活動に従って世界に分布を拡げた。今ある自然は侵略と撹乱の末にできた。このアザミに罪はない。生態系被害防止外来種とは勝手な言いがかりだ。二次草原、都市環境、自然災害の荒廃地に生きるニッチを見つけた。森には生えない。切り倒し綿毛をほぐして火を付けたら「ボン」と爆発した。怒っている。

 

1109 ヒメヒオウギズイセン

ヒメヒオウギズイセン隣のリンゴ果樹園さんにいただいた裏庭の一株。アヤメ科Crocosmia 属のヒメヒオウギズイセン。クロコスミア、モントブレチアなどの園芸品種名で知られている。この季節、この町の古い農家の庭に盛大に赤い花を付ける。夏に赤い花の少ない北海道では特別な風情だ。開拓の歴史と繋がるのであろう。原産は南アフリカ。世界中で野生化していて、園芸品種もたくさんあるという。

1108 ドロバチの目覚め

オオフタオビドロバチ庭仕事で腰を痛め朝風呂に浸かっていたら窓の内側にハチ。先日も逃がしたばかり。調べるとオオフタオビドロバチ。蛾の幼虫などを狩り、細い竹の穴の巣に運んで卵を産み付ける。脱衣所の鉢植えの支柱は裏庭の竹の束から作った。竹の巣穴で羽化し出てきた我家産の生まれたばかりのハチなのだ。麺棒の先の蜂蜜を夢中で飲み初ウンチ。やがてタンポポの咲く野原に飛んでいきました。

1107 近所付き合い

時折見かけるキタキツネが袋に入った何かを咥えてやってきた。原っぱの隅で食べているのをハシボソガラスの夫婦が目ざとく見つけ近づく。できればおこぼれを頂戴したいのだがキツネとしてはそうはいかない。カラスは尻尾の先を引っ張ったりして嫌がらせをする。そのうちキツネは少しの塊を加えて振り返りながら移動。残った欠けらをカラスが食べる。互いのセリフが聞こえてきそうな間柄。時折見かけるキタキツネが袋に入った何かを咥えてきた。くさ原の隅で食べているのをハシブトガラスの夫婦が目ざとく見つけ近づく。できれば分け前を頂戴したいのだがキツネとしてはそうはいかない。カラスは尻尾の先を引っ張ったりして嫌がらせをする。そのうちキツネは少しの塊を咥えて振り返りながら移動。残りの欠けらをカラスが食べる。互いのセリフが聞こえてきそうな間柄。

1106 カラスの春

巣が撤去される寄添い囁き合うハシブトガラスのつがいを見守っていた。新居を構えたのは、何と40mもあるKDDIの基地局の鉄塔の上。昨日の朝、騒ぎたてる声に気付くと大袋を持った職員が巣の撤去中だった。聞くと卵も雛もまだ無かったという。巣材は枯枝ばかりで、都市部のような針金ハンガーは見つからなかった。その後、近くに樹の上で互いに羽繕いしあう姿が見られた。誰にも罪はないのだが。