999 旨いぞ、ボタンエビ

ボタンエビしけの影響で延びていたエビかご漁が解禁、室蘭産がスーパーで入手できた。ボタンエビ、和名はトヤマエビ。北海道では噴火湾産がメインだ。身が締まって生きがいい。食わない手はない。刺身は甘く鉄砲串を打った塩焼きは香ばしく、丸ごと食べる。刺身はワサビよりは裏庭のホースラディッシュか、焼き物にはタイムか、などと考えた。1匹100円見当。旬を食べると長生きする。

996 凍るアルトリ岬

アルトリ岬明け方は-15℃前後。海は凍らなかったが、岩の飛沫は氷柱となった。-5℃の向こうにアルトリ岬。岬もこの岩も有珠山の山体崩壊の名残り。崩壊が起こった年代が、もし仮に1万2000年を遡り、最終氷期と重なる時代ならば、海岸線は彼方の沖合だ。有珠山の崩壊もさぞ壮大なものだったろう。アルトリ岬は大きな流れ山の頂上部分かなどと、すべてが凍てついた風景の中で考えた。

988 旅の終章

旅の終焉豊浦町の貫気別(ぬきべつ)川河口でハシボソガラス、オオセグロカモメが鮭の朽ちた骸を啄んでいる。オジロワシも見える。流れには襤褸布のような魚体が引っかかって揺らめいている。この川で孵化し、北太平洋を回遊してきた強者達の終章がこの一幕だ。故郷へ帰って産卵し、鳥たちに食われ、土へと還る。この川の上流にはインディアン水車もある。いのちの輪廻が見える。

981 光るいのち

ニシンのうろこはるかむこうの銀河の光芒だろうか。これはニシンの鱗。すべての色を吸収しかつ反射し、私の指先で陽を照り返えす。近くの港に揚がり、俎板に残った直径10mm、数十枚の生臭い鱗だ。燦然と輝くミクロの虹の色。地の闇に輝くオパールにも似るがこれは命。人知れず、自らに発するいのちの輝き。無辺の海の暗闇にさんざめく燐光。美の神は細部に宿りたまひぬ。

979 ニシンの酢漬け

ニシンの酢漬けいいニシンを見つけ躊躇せず買った。一尾0,5kg、体長40㎝の立派な男振り。輝く鱗が残っている。機会を逃さず塩で締め、酢、塩、砂糖、玉ねぎ、人参、スパイス、ハーブで酢漬けにした。参考の北欧レシピでは young herring だが、この際たっぷりと戴こうではないか。白子は濃い味の醤油煮とし酒の肴に。写真の2匹はフィレにしてしっかり冷凍、二日後には刺身となる。旨いぞ。

978 地球岬灯台

地球岬灯台灯台を見下ろす展望台に立った。雪雲の合間から陽がもれたが氷点下の気温。黒く沈む海面はいかにも冬の色だ。アイヌ語のチケウは断崖のこと。岩壁は水冷破砕溶岩で、灯台を見下ろす平たん部は海底火山の山頂部との解説を聞いたことがあり納得した。ガラス越しに背丈ほどもあるフレネルレンズが見える。灯火高は海面から131m、毎30秒に2閃光、光の到達距離は52kmという。

958 燻製を作った

ベーコンを作る市販のベーコンが実に不味い。地元の旨いバラ肉3本に天日塩をたっぷり刷り込み、冷蔵庫で5日間塩漬。スパイスは粗びきペパー、ミックスハーブのみ。5時間水に浸けて塩抜きし、1日乾燥。65℃まで温度をかけ燻煙は4時間。料理に使える上出来のベーコンができた。ことのついでに地元の魚も燻しあげ(上段)、途中で取りだした北海道産プロセスチーズもごらんの通り(下段)。

930 浪費する生態系

ムラサキイガイの稚貝伊達港の岩壁の上に光沢のある黒い砂山があった。近寄ってみたら米粒大のムラサキイガイの稚貝の堆積だった。俵に入れたら黒米だ。定置網を引き揚げ、積み上げて干した跡らしい。生物の世界は壮大な浪費の上に成り立っている。北の海は潤沢だとはいえ、この、いのちの散財は何だ。一緒に10種類ほどの貝類が見つかった。写っている貝殻はエゾワスレ、巻貝はエゾヨウラク。

923 タフォニの白い崖

タフォニの白い崖白い凝灰岩と火山砕屑岩の白い断崖が飛沫や潮風、塩類が析出する時の結晶圧などで窪みができ、連なってtafoni という独特の模様を作っている。もっと近寄れると圧倒的な印象なのだが残念。「涙」につながるアイヌの神話があると聞く。室蘭層といわれる白い長い崖は「銀屏風」の名で市民に親しまれている。ずいぶん昔、右手の奥の崖から降りて、この浜を磯伝いに歩いたことがある。

922 カマイルカ

カマイルカ室蘭沖合十数㎞、緩やかなうねりの凪いだ海に、100頭ほどのカマイルカを見た。ガイドはクジラ類の専門家、笹森琴絵さん。断崖が続く海岸線のハルカラモイ、マスイチセ、タンネシラルなどの私の同行者18名への説明は私が勝手にしたが、クジラ類の探索は屋上のハッチに陣取った笹森さんのお仕事。この観光船には外国の方も乗っていてイルカの群れに感激一入。有難うございました。