462  大丈夫

イワガラミの生き方先日、洞爺湖畔の使われなくなったキャンプ場で、ポリエチレンロープが巻き付いたままの樹を見つけた。丈夫なロープはいずれこの樹に食い込んでしまう。そういう痛めつけられた樹を幾度も見てきた。今日はナイフを持って出かけた。だが樹本体より先に這い登ってきていたイワガラミが痛手を受けていた。だがイワガラミも負けてはいなかった。ロープを植物体の組織に巻き込んで木部の中にしっかりと取り込んでいる。そのうえロープを二本切り離した途端、イワガラミ全体が少しずり落ちてきた。ロープを身の内にし、ロープを体の支えにしていたのだ。

利用できるものは敵味方の区別なくすべてを内的なものとし同化させ、自ら全体も適応して変化してゆく。生命はこうやって継続してきた。これこそいのちそのものの本質なのだろう。