636 春の匂い

春の匂い去年の落ち葉を踏みしめながら洞爺湖畔を歩く。木立の向こうには中島の影。緩やかに風が吹く。足元のマイヅルソウの小さなハート形の葉と少し長めのギョウジャニンニク。指先で押しつぶすと青く軟らかな春の匂いだ。三枚葉のツタウルシの赤い新芽も見える。水の気配、湿った土、すべてにいのちの匂いがする。