何年か前までは北海道のこの町でもコウリンタンポポはそれほど目につかなかった。今年、気が付くと裏庭に二つの群落ができていたし、道路わきや川筋の草地が少し賑やかになっている。ヨーロッパにはこの Hieracium 属の種が多く、いずれ次々と渡来するのかもしれない。港湾の荷上場付近や飛行場などから日本に上陸するのが常だ。
紅輪蒲公英。一見、日本風ではない(今のところ)人目につく花は、中心部が明るい黄色で周辺の舌状花は鮮やかなオレンジ色。ポンと爆ぜた花火みたいだ。これがまた日本の風景の中で燎原の火のように燃え広がるのかと思うと、汎世界的物流の恩恵を受けて安泰な生活をしている者として忸怩たる思いがある。