20 氷の牙

氷の棘 北西の風がシベリアから吹き付けて、日本海側の留萌や岩見沢は大雪となり、人々は除雪で苦労しています。洞爺湖では過冷却気味の空っ風が吹いて、湖水の飛沫がアシの茎に凍りつき、氷の牙となりました。蒼空の下、西日を受けて、巡って来たごくあたり前の四季の風景は、かくも厳しくかくも穏やかです。きっかりとした自然の輪廻の中に私たちは命をつないでいます。