634 毛深いぞ・オシダ

オシダ根雪が解け、落ち葉の中からオシダの雄大な新芽が持ち上がる。鱗片は春の陽で黄金色に光り、猩々の指を見るようだ。束生する葉は実に見事で太古の羊歯世界を思わせる。形が良い常緑多年草なので庭に数株植えてある。堅固な地上部は年を経て年々持ち上がり、このままあと数十年も成長してゆくとヒカゲヘゴのような木性シダになるのではと勝手に想像してしまう。北国シダ幻想。