645 カモメよ

カモメ北の岬に立ってカモメの飛ぶのを見ていた。二十羽ほどの群。腹と翼の白い色を水面に映して、ひたすらとび続けている。行き着く場所はどこなのか、ななぜに群れるのか、私はそのあたりのことを知らない。岬を大きく回って、また次の岬を越えて飛んでゆく。

そんなに急いで、お前らはどこへ行くのだ。私を残して。