日中-5℃に冷え込む有珠山洞爺湖ジオパークで、暖国伊豆ジオパークから遠来のジオガシ旅行団をゲストに迎えジオカフェが開かれた。「大地(ジオ)の面白さを美味しいお菓子に」という発想は科学と日常生活での幸せ感とのニッチを埋める素晴らしいアイデアだ。伊豆半島のジオサイトを表現する「9ジオ入り標本箱」が販売されており、ばら売りの標本、「弁天島斜行層理」と「下白岩有孔虫化石」を買った。実に固い地質学用語と上出来なお菓子のそのミスマッチさに感心する。有孔虫レピドシクリナ(鱗状で球形の意味)の化石を含む岩の原材料に玄米、ハトムギ、レンズ豆が含まれていたのには感心した。
考えてみれば、地学的な噴火や堆積、熱変性、結晶化は調理学での事象と重なる点が多い。規模や時間のスケールに圧倒的な差があるが、それも含めて手にする可愛いクッキーは何とも愛おしい。大地の成り立ちも、ざるの上やオーブンの中でのお菓子作りの成り行きで説明できるのだから、これはイグノーベル賞ものだとポリポリ齧りながら考えた。