423 逢魔が時 投稿日時: 2014年9月30日 投稿者: nizaemon 赤トンボが飛んでいた高い空も気がつくと茜色を少しだけ残し、灯点し頃の時刻も過ぎた。薄墨色の鱗雲の影を通して三日月が見える。山の闇に民家の灯りが一つ。祭りも終わり、今日は何と静かなことか。静寂ゆえに何処からか音がきこえる。地虫が鳴くのか耳鳴りなのか。一日の終章、夜への緒言。冷えてきた。足元にはもう露が下りているようだ。