140 母なる懐

虹の彼方に 長く暑かった夏の余韻なのか秋が遅れ、いつもなら見事な紅葉のはずなのだが洞爺湖中島の色付きは少し物足りない。と、思いながら帰路の観光船の船尾にいたら、淡い通り雨の直後、一瞬明るくなった中島を背景に見事な虹が出た。自然が見せてくれる一発芸。自然は心を委ねるとふっと懐を開き、私たちにそのすべてを惜しげもなく与えてくれる。私たちの心の隙間を軟らかい何かでいっぱいに満たしてくれる。