644 水平・地平

水平・地平一度こういうところに立ってみたかった。水平線と地平線が繋がってそこに自分がいる。海にも陸地にも、その向こうにもなにも見えない。こんなところが日本に残っていた。
海は埋められ岬は削られ、陸には鉄塔が建って、どこもコンクリートや鉄の塊が目に入る。それが日本の海の風景だ。古からの自然の風景を大切にしているとは決して思えない。

ここは下北半島、六ケ所村。近くで使用済み核燃料の再処理工場と港湾施設が建設中だ。この風景こそ大切に残し、子孫に伝えねばならないのに。