393  いのちのゆくえ

エゾマイマイカブリ遊びに来ていた2歳半の孫が裏庭でエゾマイマイカブリを見つけた。好奇心にきらきら輝くその眼はすぐに不思議なものを見つけ出す。この濃緑に輝く長い胸を持つオサムシはもうからからに乾いていて、手にした瞬間に二つに分かれた。この精巧で美しい生きものの中身はどこへ消えたのだろう。溶けた中身は地に吸われたか。なにを養ったか。なにに生まれ変わったか。72歳半の私はそのあたり、考え込んでしまう。