382  マーダーは喪服で

腐肉に集まるエゾマイマイの殻を拾っているうちに現場に出くわした。肉の入ったマイマイの殻に長い首を突っ込んでいるのはその名もまさしくエゾマイマイカブリ。べつにエゾマイマイだけの天敵ということではないのだが、マイマイカブリというカタツムリ類を好む肉食昆虫の北海道型でこの名が付いた。蒼い光沢のオサムシに近い洒落者。殻の中から出て来たのは他にクロヒラタシデムシ。そして死の香りに目のないニクバエ。役者は揃った。