286 命を繋ぐ海

夕日をうけて西風の強い室蘭、崎守の岬。夕陽に染まる海にカモメが飛び交う。風が吹くとここの海は何時もこうだ。海は荒れる、カモメは風に浮く。ごく当たり前の情景だ。カモメはカモメ、海はいつもの海。日常慣れし、安泰化した私の眼だけが違う。人とすぐ隣にあった野性とのかかわりはこうではなかったのか。猛る自然の中でこそ私たちの命も存在していたはずだ。