155 霜枯れの中で

霜枯れの中で 朝日のあたらない土手の斜面に白く咲いていたキクの花。近くの庭から種が飛んだのか。ノブドウ、オオヨモギ、ヤブマメなどの身近な草たちが霜で白く縁どられ枯れ落ちてゆく中で、まだ凛として、咲くことをおのれの使命としてひたすら匂い立っている。栄枯衰勢、すべてが時間の流れに乗っているとは言いながら、この季節、この小さな花の強い意志に感嘆せざるをえない。