お馴染みの堅果(けんか)、クルミ。この辺りには栽培種の菓子グルミ=テウチグルミと野生のオニグルミが生育しています。写真左が菓子グルミ、右はオニグルミ。どちらも滋味あふれる香ばしさがエゾリスや野ネズミなど、野生の生き物の命の糧です。カラスは車に轢かせて食べたりもします。もちろん私たちも大好き。里山の神様の膨らんだポケットにいっぱい入っています。
菓子クルミ(手打ちグルミ)は簡単に割れます。私は梅割り器を使っています。オニグルミは硬く、その上実が取り出しにくいので、金槌、千枚通し等が必要です。でも、それがまた楽しみ。里山の神に感謝しながらゆっくり作業を続けます。2種のクルミ口に運ぶと微妙に味が違います。その辺りが分かるだけでも嬉しくなります。秋、落ちて表面の果肉が黒く腐食した頃を見計らってたっぷり拾い集めます。収穫した実は翌年まで使えます。
クルミのジンジャークッキー(径5㎝のもの約25枚)。たっぷりのバターとジンジャーの香りの中にクルミの香ばしい存在感が楽しめます。 薄力粉 250g、 ジンジャーパウダー 15g、 剥きクルミ 100g、 バター 150g、 グラニュー糖 150g、 とき卵全卵 40g。 ジンジャーパウダーを使わず、生姜をすり下ろして使っても良いでしょう。クルミの量、バターの量、生姜の量を変えながら、自分の味に仕立てるのも楽しみです。
① 粉とジンジャーパウダー、クルミをボウルの中でていねいに混ぜておきます。 ② 軟らかくしたバターをよく練り、これにグラニュー糖をよく混ぜ込み、さらに卵を少しずつ加えて混ぜます。なめらかなクリーム状になったら、①と合わせます。ミキサーを使わず、ボウルと泡だて器を使っても簡単にクリーム状になります。①と合わせた後、木べらなどで生地をよく練っておくと、後で切り分けるときに形が崩れません。
③ よく捏ねた後、直径4cmほど(焼きあがりは一まわり大きくなります)の棒状に手でまとめ直してラップに包みます。冷蔵庫で2時間以上ねかせておきます。 ④ とき卵(全卵・分量外)でコーティングし、さらにグラニュー糖(分量外)の上を転がして、厚さ8mm位に切りそろえます。 ⑤ 180℃で15分ほど、ようすを見ながら焼きます。冷めると、ジンジャーの爽やかな香りがたち、晩秋の里山を味わう滋味あふれるクッキーとなります。