1047 洞爺湖・春の予感

洞爺湖春の予感冬の名残りの樹々を載せた小島が、柔らかな光を受けて湖面に映っている。風のない早春のひと時。心安らぐたたずまい。前の年の豊穣はすべて地に還り水に沈んで、芽吹きの膨らみとなってまた蘇る。 遠く微かな「春の歌」が聞こえるような。あれはメンデルスゾーン。コロコロと明るい水面を転がるフルートの音色。 またいく度かの雨が降り、やがて木の芽色の風が吹きわたる。