1039 雪に沈む

昭和新山風もなく音もなくいつの間にか薄暗くなって、一日の終わりの雪が降りしきっていた。今日も終わるかと、いつもの習慣で昭和新山に目を向けた。薄闇の中から光の束が持ち上がり、溶岩ドームを浮かび上がらせている。幻を見たような、つかの間の瞬間だった。やがて光の落ちたあとは特徴のある山の姿もすべて白い闇に溶け込んで見えなくなり、いつものモノトーンの夜景がやってきた。