1004 接合資料

接合資料石核と原石石を割って石器を作り、もとの石の形に復元する。これがなかなか難しい。だから面白い。丸石のハンマーで作った尖頭器様の石核。使用した石材は長流川の河原の硬い凝灰岩。ここは石器に使われる黒曜石、珪質頁岩のない地域だ。旧石器から縄文の時代、人々は生活に必要な道具をどのように作ったのだろうか。私も指先に傷を負いながらせっせと石を打つ。足元に散らばった破片を寄せ集め接合してみた。立体パズルだった。 発掘された破片などを接着したものを接合資料というそうだ。そこからは素材の原型、石器製作の手順や、道具、テクニックの良し悪しなど、作り手の人間像までが見えてくるという。

私は\遺跡からの遺物を研究する専門家ではない。遺跡の発掘作業に立ち会ったこともない。文化人類学的好奇心から、動物の道具使用、人類の進化と文化の成り立ち、変遷に興味がある。我々と同じ手、身体、頭脳をもつ人々が、身の周りの自然をどのように利用したのか。石器作成の技術そのもの、伝承のされ方、生活の中での意味合いや応用などについて知りたいのだ。