601 雪の王

トドマツ霧氷で名高いオロフレ峠。スノウシュートレッキングの出発点に近い樹林にそびえるトドマツが、いつものように分厚い雪衣を羽織ってでんと控えている。斧の入っていない森には必ずこんな立派な樹があり、存在が頼もしく、歩くのが嬉しくなる。仲間たちはそのような樹に「森の番人」「トチノキ婆さん」だとか勝手に名前を付けている。この樹は「雪王」「雪将軍」そんな風情だ。