595 手の跡か

初列風切鳥の翼は人の手と起源を同じくし、爬虫類の前脚につながる。珍しく5cmほど積もった新雪を歩いてきたハシボソガラスが、そこから飛び上がった軌跡が残っていた。 羽毛は爬虫類の鱗に由来するが、翅の先端の風切羽は機能から見るとコウモリ類の指先にも相当する。脚で弾みをつけ、一羽搏きで飛び上がったようだ。飛ぶことに特化し、空を手にした鳥たちには脱帽だ。