230 赤い血

樹液 林道で見つけた切断された白樺。昨年11月の湿った重たいドカ雪で折れた樹を片付けたのであろう。根は生きていて、この春、新芽を精いっぱい吹き出すべく樹液を汲みあげたが、如何せんその先はなかった。白い樹皮に赤い血。甘い樹液に天然の酵母が飛び込んで発酵し、さらに赤かびの一種が繁殖したらしい。一つの命に、たくさんの生命体がぶら下がっている。やるせなさが残る春の不条理。