228 哀れ春の雄花

ドロノキの雄花昨年11月の湿った大雪で、一夜にして多くの樹や枝が折れてしまった。根雪に埋まっていた折れたドロノキの大枝が、オオウバユリの新芽の上で雄花を咲かせている。珊瑚のような、血のような、因縁めいた春の色。ドロノキはここ昭和新山に先駆植物として、火山灰の上に生をなしたPopulus 属(ヤマナラシ属)のヤナギだ。雌雄異株で、雌株の花序は綿毛となり、Salix属(ヤナギ属)より遅れて柳絮となり新開地をめざす。