620 落暉のあたり

有珠山 外輪の夕日根雪も消えつつある有珠山外輪に陽が落ちる。雪消が生み出す水蒸気は低い霧となって夕日を滲ませ、風景を赤く染める。だがそれは一瞬のこと、息をのむ間に色は褪せ、光も失われる。陽の落ちたあたりは四十三山から旧登山道をつめて外輪に出て間もなくの場所、昭和新山、壮瞥の街を足元に見る大観望だ。雪が消え、あとふた月もするとその場所に立つことができる。