750 アカゲラの春

アカゲラの春雪が少なかった分地中深くまで凍てついていて、土に埋もれていたサクランボの古い薪を掘り起こすのに苦労した。上に積み上げて置いたら、目敏く見つけたのが雄のアカゲラ。この冬は一度もやってこなかったのに、何を目印にここに辿り着いたのか。腹が空いていればこその、しかしあたり前の鋭い感性で、長いくちばしで朽ちた材を弾き飛ばしている。春の光のなかの眩しい命。