200 春を撃つ

エゾノキヌヤナギ 陽のあたる雪原を背に、苞を脱ぎ捨てたばかりのエゾノキヌヤナギの雌花。和毛が残雪の照り返しを受けている。ヤナギ類の同定はなかなか難しいが、枝先に辛うじて残った、全縁の細い葉がキーポイントになった。この春もまた、小さく軟らかなトリガーを誰かが引いて、この枝先から春が打ちだされる。連なった花序は連射砲。少しだけ見せた青空の下、まだ雪を乗せている大有珠から吹く風の中に春の匂いがする。